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鍼灸いちご治療院 鍼灸師・八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

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  • 心の痛みと体の痛みの関係
なぜ、痛みの感じ方には個人差があるのか?

心と痛みの関係 【鍼灸師が執筆・監修】

心のイメージ画像なぜ人によって痛みの感じ方に違いがあるのか?

心が痛みにもたらす影響や、痛みの認知機構について解かりやすく解説しています。
このページでは、以下の項目を設けています。
鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

痛みの感じ方

世の中には、通常では耐えられない程の痛みがあっても相当程度まで耐えてしまう人が存在する一方、「これくらいのことで?」と思える刺激にも苦痛を訴える人も存在します。

痛みには万人共通の普遍的な面と、上記のように個人差がみられる面があります。このような現象はなぜ起こってくるのでしょうか?

痛みは、新聞やテレビなどからのニュースと受け取り手との関係と似ている面があります。(報道機関による多少のイデオロギーなどの差はないものとします。)

ニュースは起きている事件や事故に対し、基本的には客観的な事実を伝えてきます。我々は、基本的には客観的とされるニュートラルな情報を受け取ります。

涙を流す女性
感情やイデオロギーの修飾を受けないニュートラルな情報であっても、受け取る側の個々人に人格の差があるため、同じニュースを受け取ってもAさんは笑みを浮かべ、Bさんは涙を流す…などの差が生まれます。
痛みにもこれと似たような現象が起きます。


同程度と思える外傷であっても、ある人は受傷後相当程度の痛みがあると思えるのに平然と行動したり、ある人ではうずくまったまま身動きできない…という状況の差が起きる事があります。

痛みの情報も報道機関からの情報と同じように基本的にはニュートラルな情報です。神経線維を伝わる情報は電気信号としての意味しか持ちません。

では何故、ニュース同様に人によって差が生まれるのか?

それは大脳の認知機構に差があるためです。大脳の前頭葉が意味を持たないニュートラルな電気信号に過ぎない痛みに意味を持たせています。

前頭葉は構造的に大脳辺縁系、視床や視床下部、中脳・橋・延髄などの脳幹などと連絡しています。これらの中枢神経機構と連携して、電気信号に意味づけする合理性を持たせる機能を持ちます。

人が歩んできた人生は千差万別です。その人生上の経験や記憶、それらを基礎とした人格、心理。心地良く感じたり、不快に感じたりする情動。これらと痛みの情報を統合して、前頭葉は痛みに意味を持たせています。

つまり、ニュートラルな情報に対する意味づけの段階が人によって違うため、耐えることが出来る痛みの程度も違い、反応も異なるのです。


痛みの治療においてもこの差が反映されます。

普遍的に万人共通の治療薬・治療法で同じように痛みの軽減が可能な痛みの状態もありますが、痛みの認知面での違いが起きる痛みに対しては、画一的な治療法では疼痛の軽減を図る事が難しい側面もあります。

心理面を含めた難治性の痛みに対し、現代では心理面と身体面の両方からアプローチするリエゾンアプローチと呼ばれる手法も積極的に用いられるようになってきています。

50~60年ほど前まで行われていた難治性疼痛に対する治療法で、ロボトミー手術と呼ばれるものがあります。

脳の画像
これは、身体面だけでなく心理・認知面にも問題がある難治性疼痛の患者さんに行われていた手術法です。

大脳の前頭葉と他の中枢機構のつながりを物理的に断ってしまうのです。


このロボトミー手術を受けた患者さんは、痛み信号が大脳に送られてきても、前頭葉の意味づけの機能を失っているため、痛みの苦痛を訴えなくなります。

その意味では手術を行う意義があるかもしれませんが、外部情報や体の内部情報と感情を結び付けられなくなるため人間らしさを失ってしまいます。そのため現代では行われていません。


※先天的に痛みを感じない先天性無痛症や、Ąβ神経線維の神経損傷がC神経線維に影響していると思われるアロデニア(痛覚過敏症)など、疾患としての痛みの感じ方の差はこの項目では除外します

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心と痛みの関係


心と痛みには密接な相関性があります。その時の心のありよう次第では痛みが軽くなったり、より痛みが増したりすることがあります。

何故このような事が生じるのか?心が痛みに及ぼす影響やメカニズムについて解説していきます。



ストレスと痛み


「適度なストレスは人生のスパイスである」
カナダの生理学者ハンス・セリエの言葉です。

結論を先に言ってしまうと短期的なストレスは痛みを軽減し、長期的なストレスが続くと痛みを感じやすくなります。

スポーツ競技の最中に痛みを殆ど感じず、競技終了後に激しく痛みが起こった。それに似た体験はどなたも経験があるのではないでしょうか?
これを【ストレス鎮痛】と呼び、ランナーズハイがこれにあてはまります。

ストレスと痛みの関係に深く関わるのが脳の深部にある視床下部と下垂体です。短期的なストレス刺激で視床下部が刺激を受けると、視床下部の指令を受けた下垂体が副腎皮質ホルモンとβエンドルフィンと呼ばれる物質を分泌します。

副腎皮質ホルモンは非常に強い抗炎症作用があり、炎症性の痛みがあった場合に炎症を消退させ痛みを軽減させます。もう一方のβエンドルフィンはいわゆる脳内麻薬と呼ばれるもので、モルヒネ様の強い鎮痛作用があります。

この2つの物質の働きにより、ストレスを伴うような集中を強いられるときは痛みを感じにくくなります。



鬱病と痛み


短期的なストレスは痛みを軽減しますが、長期に及ぶストレスが続くと痛みを感じやすくなります。長期ストレスと痛みの関係にも脳が深く関わっています。

長期的なストレスにより脳の神経活動が低下すると、脳からのセロトニン分泌が低下します。セロトニンは、脳や脊髄などの中枢神経では痛みを抑制する物質として働きます。

痛みの信号は末梢神経からダイレクトに脳に伝わる訳ではなく、脊髄のインターチェンジで一旦ルートを切り替えます。この脊髄のインターチェンジで痛みの信号をブロックするのがセロトニンです。

これを脊髄後角抑制系といいます。

抑うつ状態のイメージ
人は鬱病などひどい抑鬱状態にあると、このセロトニンを介した脊髄後角抑制系が正常に機能しなくなり、感情ストレスがかかると通常よりも強く痛みを感じるようになります。

中枢では鎮痛物質として機能するセロトニンですが、傷害を受けた末梢では痛みを起こす発痛物質として機能します。



手足などに傷ができると、その傷を修復させる第一段階として血小板が傷口で働きます。このとき血小板からセロトニンが分泌されます。傷害時、末梢でセロトニンが痛みを起こすのは安静を促すための必要な防御反応です。

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心因性疼痛


心因性疼痛の定義

心が引き起こす痛みに【心因性疼痛】というものがあります。

ここまでの間に解説してきた心と痛みの関係は、痛みの原因となる【身体の
物理的な変化】は明確にあり
、その痛みの受け止め方に個人差があったり、その人が置かれている状況により痛みを感じたり感じなかったりというものです。

心因性疼痛はそのような状態とは明確に違い、身体に損傷や炎症などの物理的な変化がないにも関わらず痛みが起こる状態で、
痛みの原因が心理的ものでしか説明がつかない病態を指します。

心因性疼痛は理学検査や問診、画像検査、血液検査などと痛みの症状を結び付ける事に矛盾が生じます。

しかし、現代の保険制度下での医療体制では患者さん一人ひとりに時間をかけられず、患者さんの状態の評価が十分なされない事も少なくはなく、原因が手っ取り早く把握できない患者さんはひとまず心因性疼痛のバケツに入れられてしまう事もあります。

そのような場合、鎮痛剤の他に抗うつ剤が処方される事もあります。

上記のような対応が必ずしも悪い訳ではないのは、慢性的に相当程度の痛みを抱えている人は程度の差こそあれ、抑うつ状態にある事が珍しい事ではないためです。

前項目の【鬱病と痛み】でも触れましたが、抑うつ状態が続くとセロトニンという中枢性の鎮痛物質の分泌が低下してしまうため、その事を改善するという意味においては抗うつ剤の処方は無意味な訳ではありません。

身体に損傷や炎症があり、その事に起因する痛みが長期間続き、不安感や痛みによるストレスから抑うつ状態を経て鬱病になってしまう事もあります。

また、身体的な問題なく鬱病それのみでも痛みを発するようになる事があります。鬱病は心理的な苦しさだけでなく、ひどい肩こりが原因で頚から肩にかけて痛みが起きたり、頭痛や腕の痛みが起こる事があります。鬱病の病型の一つで身体表現性障害と呼ばれます。


身体的な問題から発した痛みの継続に起因する鬱病。
身体的な問題なく発症した鬱病に起因する痛み。


いずれにしても長期間に及ぶ慢性的な痛みのストレスは相当なものです。痛みの治療では身体的治療アプローチだけでなく、心理面からのアプローチも併せて行う事が必要な場合もあります。

以下の質問項目が当てはまる場合、抑うつ傾向、鬱病の可能性があります。仮に痛みを抱えていて身体的治療を受けていたとしても、それだけでは十分ではない事もあります。心理面への治療も必要です。



鬱病の自己診断チェック表


以下の質問項目はアメリカ精神医学会の鬱病診断基準の1つで簡易的なものです。当てはまるようでしたら、心療内科、精神科での専門的な検査・治療が必要です。



質問 1

直近2週間の心理状態についての質問です。
  • 憂鬱な感情がほとんど毎日起こる。
  • 何をしても面白くなく、喜びを感じないことが毎日である。

以上のことが1つも当てはまらなければ、鬱病ではありません。
1つ、または2つとも当てはまるようでしたら質問2へ



質問 2

直近2週間の体調や心理状態への質問です。
  • ひどく食欲がない状態がほとんど毎日である。
  • 眠れないのが、ほとんど毎日である。
  • 毎日、わけもなくイライラする。動きが顕著に低下している。
  • 毎日、疲れやすさを感じる。
  • 自分が価値ない存在に思える。自分が悪いのだと思う。
  • 死にたいと思う。

質問2で4つ以上当てはまる場合、鬱病の疑いがあります。
質問1で2つとも当てはまった場合は、質問2で当てはまる事が3つであっても鬱病の可能性があります。

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心が痛みを利用する


前項目では痛みが心に及ぼす影響の一例をあげました。
この項目では、心が痛みを利用してしまう事象について解説します。

痛みを抱えている人の性格傾向によっては身体的原因の痛みに対し、心が痛みに象徴的な意味を持たせてしまい、心の葛藤の解決に利用してしまう事が起こることがあります。

Aさんが人間関係にストレスを感じやすく、社会に適応していく事に意識下、無意識下に心理的負担感を感じているとします。

このようなタイプの人に、偶発的に身体的外傷や病気を発病し痛みが起きた場合、本来的に持っていた性格傾向が身体的痛みを無意識下に利用してしまい、自分自身の社会への不適応性を痛みの症状で穴埋めしてしまう事が起こる事があります。

このような場合、身体的病変が軽度であっても、痛みの症状は慢性化してしまう事があります。

フロイトはその著書の中で、心が痛みを利用する事をこう述べています。
「その肉体的な痛みは性格傾向が作り出した虚偽ではなく、ただ性格傾向に利用され、増強され、かつ保たれているに過ぎない。」


なかなかどうして…。心も痛みも一筋縄ではいきません。

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妬みと痛み


ここまで読み進まれていたら、抑うつ状態やストレスが痛みのもたらす影響はご理解いただけたかと思います。

それらのストレス状態の他、妬みの感情も痛みと深い関わりがあります。

脳と痛み
脳の前頭葉は連合野と呼ばれ、痛み、痒み、熱い、冷たいなどの体性感覚に意味づけをする機能を持っています。

末梢神経からの痛み情報は、前頭葉で意味づけされることで初めて痛みとしての意味を持ちます




痛みなどの体性感覚に意味づけを行う前頭葉ですが、前頭葉・前部帯状回は痛みや妬みの感情と密接な関わりを持つ部位です。

神経機能は使えば使うほど機能が高まり、信号が伝わりやすくなります。
つまり、妬みの感情で常に前頭葉・前部帯状回の働きが活発な状態にあると、体性感覚の痛みの信号も寝た子を起こされ易くなってしまいます。

【妬みの感情】は【心の痛み】と言い換えることが出来るかもしれません。近しい人が持っている物、経済力、教養、能力、容姿などを自分が持っていないと、「羨ましい。ずるい。あの人が持っていて、なぜ私にはないの?」という妬みの感情が起こってきます。

この感情が高じると、妬みの対象となっている人物が不幸な状態に陥ると、とても気分が良くなる【他人の不幸は蜜の味】という状態に発展してしまう事があります。

妬みの感情は元々備わっている本能的なものです。生物として、他の生物が食べている食物が自分の食物よりも大きい。その食物が羨ましい。そのような感覚です。

この妬みの感覚・感情は上手くすれば向上心に昇華させることができます。

「Aさんが持っていて自分にはないものがある。羨ましい。それが欲しい。では、それを手に入れるために頑張ろう。努力しよう。」というポジティブな感情への転換です。

【心の痛み】である妬みの感情で脳の前頭葉・前部帯状回を刺激し続けると、【体の痛み】も賦活され易くなります。


問題は視点の転換です。

目の前に存在する、妬みの感情を刺激しイライラさせる存在は、本当はイライラさせる存在ではなく、自分自身がイライラしているだけなのです。


妬みの感情を持つことが悪い訳ではありません。妬みは我々に本来的に備わっている本能的な感情です。問題はその感情を昇華させるか否かなのです。

視点の転換が図られないと、【心の痛み】と【体の痛み】に意味づけをする前頭葉・前部帯状回を活発にしてしまい、現実的な体に痛みに支配されやすくなりかねません。


まず、妬みの感情を抱いてしまいイライラする自分を受容し、イライラしてしまう自分がいるだけなのだと気づくことが必要です。

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