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腰痛を治すために必要なこと

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

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本当に骨盤はゆがむのか?

骨盤のゆがみ

骨盤解剖図骨盤のゆがみの原因、腰痛や体の不調につながる理由をバイオメカニクスの視点で解説しています。

簡易的なチェック法やセルフケアの方法の情報も掲載しています。このページだけで骨盤のことがマル解かりできる構成になっています。

このページは以下の項目で構成しています

腰痛の男性

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構造と特徴、そして気になるアノこと

骨盤部に端を発する問題は、生体力学上の運動連鎖の結果として起こっています。運動連鎖によって、骨盤が身体全体の中で位置的変異を起こし、いわゆる骨盤がゆがんだ状態となっています。

あなたがこのページを開いているのは、腰や股関節に不調や痛みを感じているからではないでしょうか?この先の項目は、腰の不調と骨盤のゆがみの問題に焦点を当て解説していきます。まず腰の構造をざっくりと理解してください。

骨盤の構造

骨盤は1つの仙骨と左右2つの寛骨(かんこつ)が組み合わさって構成されています。仙骨は脊椎の骨に分類され、寛骨は下肢の骨に分類されます。解剖学的には1つの骨の名称ではなく、ユニットの総称です。

骨盤の図解

骨盤解剖図仙骨は誕生時には5つの仙椎に分かれています。

成長の過程で癒合し1つの仙骨になります。

仙骨の先端には、尻尾の名残である3〜5個の尾骨が存在しています。
寛骨も出生時には腸骨、坐骨、恥骨が分離していて、14〜16歳頃に完全に癒合し寛骨となります。

仙骨と、寛骨の腸骨部分が連結する部位を仙腸関節と呼びます。この関節はわずかに可動性があり、角度で2〜4°、0.5〜5mmの可動範囲を持ちます。前方部分が可動エリアで、後方は強固な靭帯が保護しています。

女性特有の問題&気になるアノこと

骨盤の性差骨盤には明確な性差があり、男性は上下に高く、恥骨の枝で形成される恥骨下角が狭く70°程度です。女性は左右に広く、大きく開口した骨盤上口と、90〜100°の広い恥骨下角で出産に対応しています。

機能障害は女性に多い特徴があります。恥骨下角の角度が広いために椅子に座った座位で左右に広がりやすい構造的な問題と、女性ホルモンの働きも影響しています。

卵巣から分泌されるリラキシンと呼ばれる女性ホルモンがあります。月経前や、妊娠3ケ月〜産後数日の間分泌されます。リラキシンは血管の拡張作用と心臓の圧力低下作用を持ち、靭帯を緩める作用があります。

リラキシンの作用で後部靭帯と恥骨結合が緩むことで出産が可能になっているのですが、月経時にも僅かに分泌されるため、20〜40歳までの出産可能年齢の間においては、機能障害による腰痛が男性の倍になります。

骨盤と美容の問題

お腹が出た女性また、骨盤のゆがみの問題は腰痛との関係だけでなく、美容にも大きく関係します。

ポッコリ出たお腹は多くの女性には、気になる悩みの1つではないでしょうか?


実は、お腹のたるみは体重だけが原因ではない側面があります。腰の反りや傾きなどの位置的な問題の結果として、【ポッコリお腹】、【たるんだお腹】が生じている事が少なくありません。
美容上の問題、腰痛につながる骨盤のゆがみのバイオメカニクスについて以降の項目で順次解説します。

ゆがみに至るバイオメカニクス上の理由

ゆがんだ骨盤骨盤のゆがみという言葉を耳にして、あなたはどのような状態を想像されるでしょうか?

右の図のように変形が起き、まさに骨そのものが歪んでしまった状態を想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか?


腰を構成する仙骨や寛骨は強固に骨性結合していますから、事故で仙骨や寛骨を粉砕骨折したり、骨が極端に脆くなる特殊な病気でない限り、イラストのように骨そのものが変形して歪んでしまうことはありません。

一般的に語られる【骨盤のゆがみ】とは、位置的な変異や仙腸関節の機能不全を指す言葉であり、回復不可能な骨の変形が起きている訳ではありませんので、ご安心ください。

この項目では腰の骨の位置的変異が起こるメカニズムと、そのことによって生じる問題点を解説し、次の項目で仙腸関節の機能不全の問題を解説します。

位置的変位について

ゆがみが生じた女性の体腰の骨が位置的変異を起こし、いわゆる【骨盤がゆがむ状態】になると腰痛の他、便秘、下痢などの消化器症状を起こしやすくなり、骨盤が傾いた結果として背骨の弯曲が胸椎上部や頚椎にまで及ぶと、様々な不定愁訴の原因になることがあります。このような現象は骨格の構造上の基礎的な因子が、日常生活での体の偏った使い方によって増幅され、前後左右の筋肉や靭帯などの軟部組織がバランスを崩し、バイオメカニクス上の運動連鎖が誤った形で発現されるために起きます。


骨盤のゆがみが生じる日常生活習慣とは以下の様なものになります。

ゆがみを生じさせる生活習慣

  • 荷物を持つとき、いつも同じ側で持っている。
  • 脚を組んで座るとき、常に同じ側の脚が上にきている。
  • 肩掛けかばんを愛用し、ストラップをかけるのは常に同じ側の肩である。
  • 立つときは、左右どちらかの同じ側の脚に重心が掛かっている。
  • 食卓に座る位置はいつも同じで、同じ方向を向いてテレビを見ている。
  • ゴルフなど、偏った体の使い方をするスポーツに熱心に取り組んでいる。
  • 車を運転することが仕事である。または、日常的に車を長時間に渡り運転する機会が多い。
上記の1〜6については体の使い方の偏りが想像しやすいですが、7の車の運転については、一見すると体の偏った使い方には思えずとても意外な印象で、骨盤のゆがみに結び付けるのが難しいのではないでしょうか。

日常生活のありふれた行動の繰り返しが、骨盤のゆがみや傾きを助長することがあります。

例えば車の運転はなぜ身体の捻じれや傾きに繋がるのでしょうか?
右ハンドル、左ハンドルだから?
車が左側通行である事と関係している?

どちらも違います。じつは脚の使い方の癖が腰の問題に反映します。人体はある部分を動かすと、遠く離れた全く関係ないと思える部位にまで影響が及びます。この現象をキネマティックチェーン(運動連鎖)と呼びます。

キネマティック・チェーン / 運動連鎖の例

脚の使い方の問題が腰に影響を及ぼす運動連鎖のメカニズムを、車の運転を例にとり解説します。
運転中の足の使い方通常、クラッチ操作の必要があるトラックなどの運転では、左の図のような足の動きを繰り返すことになります。

クラッチ操作のないオートマチック車では、左足はレストの位置に保持されます。
下肢から骨盤に及ぶ運動連鎖この動きが長時間に及ぶ日常を数年という単位で継続していると、ある部分の筋肉は過剰に使われ、反対に別の部分の筋肉はあまり使われないという事が起こってきます。

偏った筋緊張や短縮、あるいは機能低下が起き、関節の可動性が左右で違ったものになります。アクセル・ブレーキ操作を繰り返す右足は内側に回内傾向になり、スネの部分は筋緊張の偏りで内側に回旋しがちな癖がつきます。
それに連鎖し太腿も内側へ回旋し、大腿前面の筋緊張を伴い引っ張られるように右寛骨は前方へ回旋します。

反対に左足はレスト位置の長時間の保持で足部・スネの部分共に外側への回旋傾向を強めます。結果として、大腿部は太ももを内転する筋肉の機能低下が起こり、太もも裏面のハムストリングス(特に大腿二頭筋)が短縮します。そして、それらの筋肉に引っ張られるように左寛骨は後方へ回旋します。
骨盤から腰椎への運動連鎖右寛骨は前方へ回旋し、左寛骨は後方へとそれぞれ反対方向へ回旋すると、骨盤全体は左方向へと回旋します。

その影響は腰椎にも及びます。腰椎そのものは回旋しようとしなくても、骨盤の左回旋に伴い結果として相対的に腰椎には右回旋するモーメントが働きます。
腰椎の回旋と側屈腰椎は回旋可動域が小さく、1椎体当たり2°程度の回旋可動域しか持ちません。背骨の後方には椎間関節というものが存在しますが、この関節がストッパーの役割をしてしまい回旋を妨げます。

そのため、身体は回旋でかかる過剰な負荷を側屈することで逃がそうとします。背骨の動きは椎間関節の影響で、回旋には側屈が、側屈には回旋が必ず伴います。

以上のような生体力学上の運動連鎖が起こることによって、骨盤のゆがみ、体の傾き・捻じれが生じます。

テンセグリティ構造体としての身体

なぜ、左右の脚の使い方の違い程度の僅かなことで、遠く離れた遠隔部まで影響が及んでしまうのでしょうか?
バランスがとれた身体それは、我々の体がテンセグリティ構造体であるためです。テンセグリテとは、バックミンスター・フラー(建築家・数学者・思想家)の教えを受けたケネス・スネルソン(彫刻家)によって完成された概念で…tensional(引っ張り)integrity(統一性)を合わせた造語です。
テンセグリティ構造体の模型テンセグリティ構造体の簡単な模型を作ってみました。

6本の輪ゴムと6本の木で出来ています。人体では骨格が木、筋肉が輪ゴムに相当します。
テンセグリティ構造体の模型・ゆがんだ状態ゴム(筋肉)に短縮や緊張などの偏りがなければ、全体としてバランスの取れた形状を維持できます。

ところが、2ヵ所か3ヵ所人為的にゴムを短縮させると、一気にバランスが崩れ元の形状を維持できなくなります。
まさにこの状態が骨格の位置的変異が起こり、身体に捻じれや傾き、骨盤のゆがみなどが起きてしまっている状態に相当します。
バランスが崩れた身体体の偏った使い方により、筋肉や靭帯などの軟部組織もバランスが崩れた状態で過緊張や短縮、または機能低下する部位が生じてきます。結果として生体力学的張力の偏在が起き、バランスが崩れたテンセグリティモデルのような状態となります。
骨盤が歪んだ状態、位置的変異とはこのような状態を指します。

なぜ、骨盤の位置的変位が腰痛につながるのか?

正常な神経根と圧迫された神経根車の運転のようなさほど偏っていないと思われるような動きでも、長期間左右差ある動きの繰り返しで、捻じれや傾きの元となる体の使い方の癖をつけてしまいます。

殆どの人には右利き左利きの違いが存在し、体の使い方の偏りは多少やむを得ない面があります。実際、完全に左右対称なシンメトリックな体をお持ちの方にはまずお目に架かれません。体の不調が起こるか否かの違いは、骨盤のゆがみ、体の捻じれや傾きに対する個々人の許容度の差ということになります。


脊髄や馬尾神経から分岐し末梢の筋肉などに向かう神経が出てくる部分を椎間孔(ついかんこう)と呼びます。

例えば、背骨と背骨の間のクッションである椎間板の高さが十分ある人であれば、必然的に神経が出てくる椎間孔も十分な広さが確保できますが、椎間板の高さが低い人では椎間孔も狭くなってしまい、結果として神経が圧迫や摩擦を受けやすくなります。

このような人に傾きや捻じれが生じると、腰椎は側屈を伴う回旋を起こし椎間孔はより狭くなり、腰痛などの痛みを起こしやすくなります。
骨盤に位置的変位が起こり腰椎が回旋変位すると、当然椎間板には常時回旋ストレスが掛かっている事になります。椎間板は回旋3°を超える負荷が掛かると微細な損傷が起き始めます。

姿勢の変化が起き身体が捻じれている状態とは、与えられた3°のクレジットの利用限度額の殆どを予め使い切ってしまっていて、更なる回旋の余力を残していない状態にあるといえます。

矯正について

骨盤矯正の様子腰痛などの症状があり治療を受けに行ったときに、モアレトポグラフィーのような、視覚的に患者さん自身が自分の体の状態を確認できる検査を受けたことがある方もいるのではないでしょうか?

その結果はどのようなものだったでしょうか?

検査結果のbefore-after

検査のを視覚的に示され…、「あなたの骨盤は歪んでいて、体はこのように捻じれや傾きが起きています。だから腰痛が起きているのです。」というようなことを言われ、更に…

「治すためには骨格の矯正が必要です。」という流れになり、実際に写真のような形で矯正を受けたのではないでしょうか?

beforeーafterの写真を比較し…「ほら、歪みが解消されたでしょう。」と

カイロプラクティックや整体でこのような矯正を受けた場合、瞬時に症状が軽減しその効果が永続的になる人と、何度矯正治療を受けても一向に症状が軽減しない人に大別されます。

なぜ瞬時に骨盤のゆがみが視覚的に解消したのでしょう?
症状の軽減効果が短時間に止まる人と、矯正治療を受けたことで治ってしまう人に分かれるのは何故でしょうか?

治療者の施術の技量に差があるという事もありますが、治療結果に差が出る理由は別のところにもあります。その理由を説明します。

関節静的反射について

我々の体は関節に炎症や痛みの問題が生じると、その関節周囲の筋肉や靭帯を緊張させ外力から関節を守ろうとする反射現象が起こります。この現象を関節静的反射と呼びます。

骨盤や背骨も関節で構成されていますから、骨盤のゆがみや傾きなどに起因して炎症や痛みの問題が生じた関節の周囲の筋肉や靭帯は、関節静的反射によって緊張し硬くなっています。

アジャストメント、スラストなどの矯正行為は、一時的に関節静的反射の亢進状態を減弱させます。

なぜ関節静的反射の亢進状態を軽減させ、一時的とはいえ痛みを抑制することが出来るのか?それは、ゲートコントロール・メカニズムという体に備わった疼痛抑制システムが関係しています。

通常関節には侵害受容器と呼ばれる痛みを感じとるセンサーと、固有受容器と呼ばれる体の位置覚や運動覚を感じとるセンサーが配置されています。骨格矯正は、この固有受容器と呼ばれるセンサーを働かせることで疼痛を抑制しようという手法です。

矯正するとポキポキっと関節が音をたてますが、このとき関節の空隙化が起こり骨と骨の間隔が広がります。関節の間隔が広がったことによる位置的情報の増加と、可動域が広がったことによる運動覚情報の増加が起こります。

関節に炎症などで痛みが起こっていると、その部位から脊髄を介し間断なく中枢の脳に痛みの情報が送信されています。しかし、アジャストメントが施された関節の位置覚や運動覚といった固有受容器からの情報が急激に増加したことで、ゲートコントロール・メカニズムによって中枢への痛みの情報はブロックされ関節静的反射が減弱します。

結果として痛みが軽減し、関節周囲の筋肉や靭帯などの軟部組織の緊張も低下し、関節可動域は広がります。この一連の流れが矯正により痛みが軽減し、一時的とはいえ骨盤のゆがみが修正されたメカニズムです。

長期間のゆがみが矯正では戻らない理由

テンセグリティ構造体模型ここで思い出して頂きたいのが、体はテンセグリティ構造体であることです。

テンセグリティ構造体である我々の体は、筋肉や靭帯などの軟部組織の張力によって骨格の位置的な安定性を保っています。
つまり、骨盤のゆがみや骨格の位置的変異は筋肉や靭帯の部分的な過緊張や短縮、または偏った機能低下の結果として起こっている現象であり、骨が主体的に移動しているわけではありません。
バランスが崩れた身体そのため、骨の位置に主眼を置いて矯正で押し戻すようなことをしても、筋肉や靭帯などの軟部組織にアプローチできていない施術ではその効果は一時的で、短時間で元に戻ることの繰り返しになってしまいます。
スポーツや仕事で起きた事故などの外傷でさほど時間が経過していない状態ならば、骨格に直接アプローチし矯正することで永続的な効果が望めます。

しかし、生活習慣で知らず知らずのうちに、長期間に渡り体の偏った使い方をした結果歪んでいる状態、または外傷から相当期間経過してしまっている状態では、筋肉や靭帯の過緊張や短縮、機能低下の偏在により状態が固定してしまっているため、軟部組織にアプローチしなければ状態の改善は望めません。

カイロプラクティックの世界で指導的立場にあるグラント・レイド氏はその著書の中で、身体の歪みをサブラクセーション・タイプ1とタイプ2に分け解説しています。

サブラクセーション・タイプ2とは、靭帯や筋肉などの軟部組織にまで変性が及んでいる陳旧化した体の歪みで、このような場合には通常用いられる矯正法は効果が薄いだけでなく、ときに有害な事象すら引き起こす。陳旧化した体の歪みには軟部組織に対するアプローチが不可欠である。グラント・レイド氏はそのように述べています。

つまり、そのような方に必要なのは過緊張や短縮で問題を起こしている筋肉や靭帯などの軟部組織にアプローチし、柔軟でニュートラルな体を取り戻すことと、機能低下による問題をトレーニングによって、再び正常に機能させることです。
カイロプラクティックや整体などの骨格矯正で良好な治療結果が得られる人と、そうでない人に分かれるのは、このような理由によるものです。

審美上の問題 / たるんだお腹、ポッコリお腹

このページを読み込んでいるあなたは、もしかして腰痛に悩み骨盤のゆがみが気になっているだけでなく、突き出た太鼓腹やたるんだお腹、そして便秘や下痢などの消化器症状も悩みの1つではないでしょうか?

骨盤の歪みや傾きがそれらの原因である事が少なくありません。

お腹の出っ張りやタルミが気になり出すと、多くの方がダイエットに取り組みだしたり、腹部を引き締めようと熱心に腹筋運動に励んだりします。

これらのことは突き出たお腹やたるんだお腹に対しては効果がない事はないのですが、もう一歩踏み込んだ対応が必要です。

骨盤と、お腹の出っ張りや便秘との関係

何故、骨盤のゆがみの問題がお腹のたるみや出っ張り、便秘や下痢などの消化器症状ににつながるのか?

バイオメカニクスの視点から明快にお答えします。
骨盤・腸骨と寛骨一般に腰骨(こしぼね)などと呼ばれる大きな骨を寛骨(かんこつ)と呼びます。

寛骨は誕生時には坐骨、恥骨、腸骨の3つに分離していて14〜16頃に1つの寛骨として癒合します。 注目して頂きたいのは、寛骨の一部を構成する腸骨です。名称からも想像できるように、腸を受け止めている骨です。
つまり、骨盤は内臓を収める容器だという事です。このあたり前とも思えることを再認識することが、突き出た太鼓腹やたるんだお腹の問題を解決することになり、便秘などの消化器症状も軽快していきます。

鍋や器などおよそ容器と呼ばれるものなら何でもよいのですが、容器いっぱいに物を入れた状態を想像してみてください。その器を傾けてみたらどうなるでしょう?

突き出した太鼓腹やたるんだお腹は、物をたくさん収めた容器を傾けてしまい溢れ出した状態に相当します。骨盤が前方に傾いているために、内臓が収まるべき位置に収まらず前方へせり出してしまっているのです。

骨盤が前傾する理由

大腰筋解剖図前方へ傾く原因の1つに大腰筋の短縮と硬化が挙げられます。

大腰筋は背骨の前側で、腹部内臓器の後ろ側という位置に存在します。腰を背骨の前側から支えている最深部にあるインナーマッスルです。

牛肉でいうところのヒレ肉に相当します。
大腰筋が機能不全で短縮すると腰椎の前弯を拡大します。その腰椎の前弯増強に伴い骨盤は前方へ回旋します。
短縮した大腰筋また、大腰筋が短縮傾向で腰椎前弯が拡大すると、背骨の後ろ側の脊柱起立筋群も短縮します。この状態は腹腔内を圧縮することになります。

骨盤が前方に回旋したことと、圧縮により内臓に押し出される力が働くことで突き出た太鼓腹やたるんだお腹が完成します。多くの場合、過剰な脂肪量に問題があるというよりも、この圧縮が原因です。
つまり、容器に内臓がきれいに収まっていないために【ポッコリお腹】や【たるんだお腹】という現象が起きています。そして、内臓が圧縮・押し出されているために腸管というホースが潰れてしまい、内容物が通過しにくい状態にあるために便秘という症状になって現れます。
リラックスした大腰筋腹筋運動で腹直筋を強化することは骨盤を後方に回旋させることにつながるので、太鼓腹やたるんだお腹の問題を解決することの一助とはなりますが…

腹筋運動だけで引き締まったフラットなお腹にならなかったのは、主に大腰筋の問題が解決されていなかったためです。

ポッコリお腹を解消するためには、大腰筋と背筋群の機能を正常化し、リラックスさせる必要があります。
便秘と腰痛のページで、骨盤の傾きが腰痛・便秘・ポッコリした太鼓腹をまねく理由を、さらに詳しく解説しています。

自分で出来る / お腹の出っ張り & 便秘解消法

それでは、まず自分自身で大腰筋に触れてどこに大腰筋が存在するのか確認してみましょう。

チェック法 & エクササイズ1

大腰筋のチェック法1仰向けにに寝た姿勢で両膝を深く屈曲します。

お臍のやや下で、中心から5〜6センチ程のところに静かにゆっくり指を沈めていきます。お腹の筋肉は完全に脱力させてください。
大腰筋のチェック法2次にその姿勢から骨盤を上下に上げ下げしてみてください。お腹のかなり深いところで、硬くなったり弛んだりする大腰筋を確認できます。
このチェック法は、大腰筋に対する軽度のエクササイズにもなります。

エクササイズ2

大腰筋エクササイズ法2脚を投げ出した姿勢で座り、腕を身体に密着させてください。

このとき背筋もまっすぐ伸ばしてください。
お尻で歩いている様子お尻で歩くように前方へ移動します。坐骨を確実に床から離し太ももを持ち上げるようにして動かしていきます。
大腰筋は股関節を屈曲させ太腿を持ち上げる働きがある筋肉です。太腿を意識することが大切です。

エクササイズ3

太ももの持ち上げ背筋を伸ばして椅子に座ります。この姿勢から太ももを持ち上げていきますが。持ち上げる太ももに腕で抵抗をかけます。

この状態で7秒キープします。左右交互に行います。
それぞれのエクササイズは、回数については個人差があるので何回が適当であるとは言えません。目安として「あ〜疲れた、これ以上はしんどい。」という回数まで行うと筋肉に対するエクササイズ効果が高くなります。「まだまだ余裕で何回でもできる。」という状態は効果が薄くなります。

エクササイズ後のストレッチ法

スターティングポジション

大腰筋ストレッチ・スターティングポジション背筋を伸ばし片膝を立て、股関節と膝関節を90°に屈曲します。

もう一方の脚は、身体に対して垂直の位置に膝をつきます。

ストレッチング

大腰筋ストレッチ・アクション背中を反らせるようにして、股関節を可動域いっぱいのところでストレッチします。

このとき、太腿前面から股関節にかけて筋肉にテンションが掛かっていることを確認してください。
エクササイズ後は筋肉を使いっぱなしにせず、必ずストレッチを行うようにしてください。

ストレッチを行った前後で血液循環の状態を比較すると、1回心拍当たり血流量、毛細血管断面積、1分当たり血流量が1.8〜3倍に増加し、筋肉の柔軟性は平均25%改善がみられるとする研究結果もあります。

大腰筋の柔軟性を取り戻すことが美しいボディラインを獲得することにつながり、便秘などの消化器症状も改善します。

骨盤のゆがみ / まとめ

ここまで読み進んでこられた方、お疲れさまでした。長文にお付き合い頂きありがとうございます。

長きに渡り骨盤の歪みや機能的な特徴などについて解説しましたが、ここまでの情報をご自分の中に消化吸収されたようでしたら、あなたの骨盤に関する知識は既に治療者のそれに匹敵しているはずです。

そのような方は、腰痛などの治療で私の所へ電話しないでくださいね。
私がやりにくいですから。

なんつって、冗談です。(笑)
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