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鍼灸いちご治療院  鍼灸師・八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


内股歩きは便秘と腰痛を招く

便秘と腰痛 【鍼灸師が執筆・監修】

骨盤の傾きが内臓の位置的変位を引き起こし、便秘や腰痛の原因になっていることがあります。
便秘と腰痛に悩む女性
女性に多くみられますが、便秘と腰痛の両方に悩んでいる方が少なくありません。

双方の原因を見つめたとき、最大公約数として浮かび上がってくるのが、骨盤の傾きの問題です。


一般的に、骨盤の傾きの問題と腰の痛みはつながりをイメージしやすいものですが、便秘と骨盤の傾きの関係を結び付けるのはイメージしにくいのではないでしょうか?

じつは骨盤の傾きと便秘には関係性があり、その原因となっているのは歩き方であることがあります。このページでは、歩き方の問題が便秘や腰痛につながってしまう理由を、バイオメカニクスの視点で解説しています。
あなたが今ご覧になっている【便秘と腰痛】のページは以下の項目で構成されています。

鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

原因は別のところある

便秘がちの人がその対処法として取り入れているのが、食生活から改善を図る方法ではないでしょうか?
雑穀の写真バナナの写真ヨーグルトの写真

主食であるご飯に雑穀類を混ぜたり、バナナを食べたりすることで食物繊維を摂ることを心掛け、ヨーグルトで腸内細菌のバランスを整えたり…、このような対策をとっているのではないでしょうか?

確かに、消化管の働きを正常化するための食生活の改善は、王道であり第一に取り組むべき課題です。整腸作用を考えて、上記のような食品類を食事に取り入れるのは必須です。また、オリーブオイルを摂取することも、便自体の粘度を改善するために便秘の解消には効果的とされます。

また、便意を我慢してしまうことが便秘につながってしまうことは、すでに多くの方がご存知のことかと思います。

便秘を改善する為に効果的とされるこれらの情報は、すでに多くの方が生活に取り入れていることかと思います。

それでもなお「改善がみられない。」という方で、「お腹の状態だけでなく、腰痛も…。」という方は、骨盤の傾きに原因がある可能性があります。そして、その状態を助長している、歩き方の問題が潜んでいるかもしれません。

この先の項目で、骨盤の傾きが便秘や腰痛につながってしまう理由を、生体力学の視点で解説します。


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内股歩きと骨盤の傾き


あなたのお悩みが便秘のみ、腰痛のみということでしたら、それぞれの原因は骨盤の傾きとは離れて考える必要があるかもしれません。

しかし、便秘と腰痛の2つの問題を同時に抱えているようでしたら、まず第一に考えるべき原因は骨盤の傾きの問題です。



なぜ骨盤の傾きが便秘につながるのか?

渋滞している高速道路の写真
骨盤の傾きがどのような問題を引き起こすのか?

例えば、片側2車線の高速道路の1車線が工事で塞がれていたら、どのような事になるでしょうか?



想像するまでもないですが、逃げ場のない高速道路では当然のごとく大渋滞が発生します。

骨盤が傾くと、これと同じような現象がお腹の中で起こってしまいます。


骨盤解剖図
骨盤は、
寛骨(かんこつ)仙骨(せんこつ)から構成される器のような形状です。

さらに
寛骨腸骨(ちょうこつ)坐骨(ざこつ)恥骨(ちこつ)の3つの骨が思春期頃に癒合して1つの骨になります。

そして、腸骨と仙骨が接合する面を仙腸関節と呼びます。


器のような形状をした骨盤は、その構成要素の一部に【腸骨】と呼ばれる部分が存在することからも分かるように、まさに腸を収める容器なのです。

お鍋などの容器に物をいっぱいに収めた状態で、その容器を傾けてみたらどうなるでしょうか?収めていた内容物は溢れてこぼれてしまいます。


つまり、骨盤が傾くことによって小腸や大腸などの内臓器を受け止めきれず、外にあふれてしまった内臓は望ましい位置からずれてしまい、腸管には圧迫や捻じれが生じてしまいます。

この現象が先ほど例として挙げた高速道路での工事渋滞と類似しています。腸管が狭くなったりカーブが強くなったりしたために、その内容物である便が通過しにくい状態になってしまうのです。

また、骨盤が傾くと背骨の弯曲が強くなるために、腰痛が起きてきます。



なぜ骨盤が傾くのか?

骨盤が傾くのは生体力学的な理由によるものです。1つは脊柱起立筋、多裂筋(たれつきん)、大腰筋(だいようきん)といった腰部を支える筋肉群によるものです。そして、もう1つは歩き方や脚の使い方などからの運動連鎖によるのもです。

筋肉の短縮で傾いた骨盤
まず筋肉の問題から解説します。

骨盤の傾きには腰を前方から支える大腰筋と、背中側から支える背筋群が関与しています。

大腰筋と、脊柱起立筋や多裂筋といった背筋群が緊張し短縮傾向にあると、腰椎の前方への弯曲が強くなってしまいます。

そして、結果として骨盤は前方へ回旋し傾いてしまいます。



便秘と腰痛に悩んでいるあなたは、もしかしてポッコリ突き出た下腹も悩みの種ではありませんか?

【便秘】・【腰痛】・【突き出たお腹】この3つの現象が1人の人物に同時に起きているようなら、問題の根源は骨盤の傾きとみて間違いありません。

筋肉がリラックスしている正常な骨盤
左図が理想的な骨盤の状態です。
先ほどの筋肉が緊張短縮した骨盤の状態と、傾きやお腹の状態を確認してみてください。

背筋群が緊張せずリラックスして緩んだ状態では、腰は前方へ引っ張られることがなくなります。

結果として骨盤は適度な傾きを保ち、小腸や大腸といった腸管は骨盤上にスッキリ収まります。

当然、便の通過を妨げる過度な圧迫は生じません



このような骨盤がリラックスした状態では、腰痛も起きにくくなります。

腰椎にかかる滑り落ちる力の模式図
通常は緩やかな湾曲で腰椎のバランスはとれています。

ところが、骨盤の傾きに伴い腰椎の前方への弯曲が強くなると、腰椎を断ち切ろうとする剪断荷重と滑り落ちる力が強くなり、クッションである椎間板と、背骨を後ろから支える椎間関節に過剰な負荷が掛かってしまいます。

弯曲が強くなったことによる弊害はそれだけに止まりません。それは、内臓器の重量も加味しなければならないためです。小腸と大腸だけでも体重の約3%、その他の腹部臓器を加えると5〜6%を超えます。

体重50kgの人では2・5〜3kgとなり、消化管の内容物を加えると、ひとによっては4〜5kgにもなります。

内臓は腹膜と呼ばれる結合組織によってつながることで、位置的安定性を保っています。その腹膜は横隔膜を介し腰椎上部に付着しています。

つまり、腰の弯曲が増すと、腹膜に連なる内臓の重量の負担が増すことになり、腰椎にかかる負荷もそれに比例して大きくなってしまいます。



キネマティック・チェーン / 運動連鎖の影響

骨盤が傾くもう1つ理由が運動連鎖によるものです。この現象をキネマティック・チェーンと言います。

キネマティック・チェーンを理解するためには、ご自身の体で体験して頂くのが最も早いので、簡単なテストを行います。

握り締めた拳の写真
まず手を握り締めてください。
強く、強く握りしめます。拳を握り締める力をどんどん強くしてください。

拳を強く握ったまま今度は肩を回転させてみてください。


結果はどうですか?肩の関節はしなやかにスムーズに動かなかったのではないでしょうか?

今度は、先ほど強く握りしめていた手の力を完全に抜いて、肩を回転させてください。

今度はいかがでしたか?肩はスムーズに回旋したのではないでしょうか?

我々の身体は、腕や足などの関節を動かす際に、筋肉や筋膜を介し運動の連鎖が起こります。そのため、手首から先に力を加えただけで、一見関連なさそうな肩の関節にまで影響が及んでしまうのです。先ほど体感して頂いたのが、キネマティック・チェーンの分かりやすい一例です。

この運動連鎖の影響で、内股歩きで骨盤の傾斜が起きることになります。
左右の脚で運動連鎖の違いを比較してみます。

脚の運動連鎖模式図
内股歩きでは、足首の関節は回内・内旋という状態にあります。

足首の関節が内側に回旋するということは、すねの骨である脛骨も当然内側に回旋します。

そして、太ももの骨である大腿骨も引っ張られるように内側に回旋します。

結果として大腿裏面の筋肉よりも太もも前面の筋肉の活動が優位になり、骨盤は前方に引っ張られ前側に傾くことになります。


反対に、足先を外側に開くと足首の関節は回外・外旋という状態になります。すねと太ももの骨もそれに伴い外側に回旋します。

その結果、臀部と太もも裏面の筋肉活動が優位になり、骨盤は後ろに引っ張られるように起き上がります。

内股歩きは足首の問題ですから、腰回りの問題と何ら関係なさそうに思えるのですが、実はキネマティック・チェーン(運動連鎖)の影響で腰痛や便秘、ポッコリ出た太鼓腹につながってしまうのです。



どうすれば骨盤が傾くのを防げるのか?

理想的な足角
骨盤の前傾状態を改善する為には、具体的にどうすれば良いのかですが…。

歩行に際し、内股での足の運びを修正する必要があります。




身体の中心線とつま先でなす角度を足角と呼びますが、この足角を左右10°ずつとするのが理想的です。

内股歩きを改善すると言いても、別に股関節や膝を大きく開いてガニマタにする必要はなく、つま先の角度を左右10°ずつ開いて足を運ぶだけです。

では、内股ではなくつま先を左右平行にして歩くなら良いかというと、そうとも言えません。
足角NG
左の写真のような足角の状態の方を時折見かけますが、この足角はNGです。

見かけ上は内股にはなっていませんが、解剖学的にはこの状態は内股に相当します。左右平行でも、すねの骨と太ももの骨は内側に回旋してしまっています。

身体の構造上からは、つま先の角度を中心線から左右10°ずつ開いた状態で歩行するのが理想的です。



ヒールが高い靴も要注意

ヒールが高い靴
更に骨盤の前傾状態を改善するには、ヒールが高めの靴を控えた方が良いと思います。

踵が高くなると重心が移動するため、無意識に腰の弯曲を強めて対応してしまうためです。


それを確認するために、頭、背中、骨盤までを壁に着けて立ってみてください。その状態で腰に手を回し、差し込んでみてください。壁と腰の空間はさほどでもないはずです。

次に、頭、背中、骨盤をぴったり壁に着けた状態のまま、つま先立ちしてみてください。腰と壁との間にはかなりの隙間が出来ているはずです。

つまり、あなたが腰痛と便秘に悩み、下腹もポッコリ出ているようでしたら、骨盤が前傾状態にあると推測できるので、ヒールが高めの靴はその状態を悪化させてしまうため、極力避けた方が賢明です。



骨盤の前傾状態を修正し腰痛や便秘を改善するためには、まず歩行から見直す必要があります。

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