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腰痛を治すために必要なこと

 鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

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腰を治すための運動療法

腰痛の運動療法

腰痛は一般的に安静にしようという意識が高い人ほど長引く傾向があります。
運動療法を行っている人達
自分で行える対策として、筋肉トレーニング、エクササイズ、ストレッチングなどがあります。

原理原則を無視してそれらのエクササイズを行うことは、時には症状を悪化させる事にもなりかねません。


疾患のタイプによっては、ストレッチを行うことが症状を悪化させることになる疾患も存在します。このページでは、安全に運動療法を行うためのナビゲートをしています。

腰痛の運動療法 / 目次

腰を治すための運動療法

腰痛は2足歩行を獲得した人類の宿命であるともいわれます。体を支える脊椎は、本来4足歩行で安定的に機能するよう構成されています。

脊椎は安定性と可動性、相反する2つの機能を満たさなければなりません。この2つの機能を同時に満たせなくなった時、腰痛を発症します。

その根底には多くの場合、運動不足・筋力低下が存在します。例えば…

今のあなたに何が必要なのか

駅のホームへの階段を駆け上がっただけで、息切れする。会社のフロアを階段で3〜4フロア移動しただけで心臓がドキドキする。

このような兆候が見られた場合、間違いなく運動不足です。

息切れしたり、心臓がドキドキしたりというのは、心肺機能の問題であり、最大酸素摂取量が低下していることを示すサインです。

厳密に言えば心肺機能の問題は、直接的には腰痛には結び付きませんが、運動不足で最大酸素摂取量が低下している兆候がみられる場合には、それに比例して筋力低下も起きていると考えても間違いではありません。

例外として、ジムなどのマシントレーニングで無酸素運動ばかりを繰り返していると、筋力は強くても僅かな体動でも息切れするようになります。

このページを開いているということは、あなた自身が筋力の低下や運動不足を自覚しているからでしょうから、その点は除外しても良いかもしれません。


腰痛と背骨の安定性は切り離せない関係にあります。運動療法に取り組むことで筋肉量と筋力を獲得し、望ましいアライメント(正しい姿勢)に導く必要があります。

そして、短縮した筋肉はストレッチによって柔軟性を確保し、腰痛発症を遠ざける事ができます。あなた自身がライフスタイルを見つめ直すことで、腰痛からの離脱が可能になります。
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腰痛体操

腰の痛みを改善するための体操法の特徴や、セルフケアとして自分でエクササイズに取り組む場合の注意点などを解説しています。

体操している女性腰痛を改善するための体操法は有名無名を問わなければ、数限りなく存在します。

有名なものでは、ウィリアムズ腰痛体操、マッケンジー腰痛体操、それにカイリエ腰痛体操を加え、これらを3大腰痛体操と呼んで差し支えないでしょう。


運動療法の1つとして腰痛体操を選択するにあたり…『 名前を聞いたことがある有名な方法だから。』…そんな考えが頭を過るかもしれませんが、腰の痛みの原因次第では、その考えによって症状が悪化してしまうかもしれません。

ウィリアムズ法、マッケンジー法、カイリエ法、どれをとっても歴史と根拠ある体操法です。

しかし、それぞれの手法は、体操法を成り立たせている理論的背景が異なり、その人の腰の状態に合わせた方法を選択しなければ、腰痛を悪化させかねない側面があります。更に詳しい情報については、下記のページをご覧ください。

腰痛体操について / 専門ページの御案内

腰痛体操のページで代表的な腰痛体操の理論的背景や、取り組む上での注意点を解説しています。以下の項目で構成しています。
  • それぞれの腰痛体操の特徴
  • 腰痛体操の注意点
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予防のためのストレッチ法

予防するための12のストレッチ法の紹介や、運動療法の原理原則などの解説をしています。

ストレッチしている男性運動療法としてストレッチを日常的に行うと、腰痛発症を遠ざけることが出来ます。

しかし、疾患によってはストレッチを行うことで症状が悪化してしまうこともあります。



ストレッチ法にはスタティック・ストレッチ、バリスティック・ストレッチ、IDストレッチなどいくつかの手法があります。

運動療法には6原則というものがあり、ストレッチを行うに当たっては、そのうちの1つ【個別性の原則】を意識する必要があります。

つまり、その人に適したストレッチ法を選択し、また腰の状態如何ではストレッチを行うことを避ける必要があります。

このように注意を要するストレッチですが、その効果は運動療法として検討するに値します。

ストレッチ前後の体の状態を比較すると、1回心拍当たり血流量、1分当たり血流量が1.8〜3倍に増加し、短縮した筋肉は約25%柔軟性が増します。

腰痛のストレッチ法 / 専門ページの御案内

腰痛のストレッチ法のページで腰痛を予防するための12のストレッチ法を紹介している他、取り組むにあたっての注意点の解説をしています。以下の項目で構成しています。
  • 運動療法の目的と根拠
  • 注意を要する疾患
  • 運動療法の6原則について
  • ストレッチ法の種類
  • 実践前のガイダンス
  • 腰痛を予防する12のストレッチ法・実践編
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腰の痛みを改善する筋肉トレーニング

痛みを改善するための筋肉トレーニングの必要性や、腰部を構成する筋肉の特徴を解説しています。

トレーニングしている女性腰の状態を改善するための運動療法としては、筋肉トレーニングは王道の1つと言ってもよいでしょう。

ところが、闇雲に筋トレしてみても、腰の状態と病期如何では症状を悪化させかねません。


腰の筋肉は機能上ローカル筋とグローバル筋に分類されます。一般的なトレーニング法やマシントレーニングでは、アウターのグローバル筋ばかりが鍛えられ、インナーのローカル筋は効果的に鍛えにくい側面があります。

ところが腰痛を改善するためには、脊椎を安定させる役割があるローカル筋をトレーニングする必要があります。

腰痛の筋トレ法 / 専門ページの御案内

腰痛の筋トレ法のページで、安全で効果的にトレーニングを行う方法の解説と、具体的な7つのトレーニング法を紹介しています。以下の項目で構成しています。
  • 筋肉トレーニングの必要性
  • なぜ腰痛を発症するのか?
    • 筋系のバランスの崩れが不良姿勢を招く
    • 神経システムの問題
  • トレーニング前に知っておきたいこと
    • 筋肉の違い
    • 筋肉量を増加させるには
    • 筋持久力を高めるには
  • トレーニングプラン / 実践編
    • 理解して頂きたいこと
    • 腰痛を改善させる7つのトレーニング法
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運動療法の6原則

運動療法には6原則というものがあります。この6原則を念頭にして行う運動療法と、漫然と行うものでは効果に大きな差が生まれます。

また、故障しないためにも症状を悪化させないためにも、一読されることをお勧めします。

運動療法6原則とは

  • 意識性の原則
  • 個別性の原則
  • 全面性の原則
  • 漸進性の原則
  • 過負荷の原則
  • 継続性の原則
これら運動療法6原則を意識するとしないとでは、セルフケアの結果に大きな差が生まれます。

以下で運動療法6原則の簡単な説明をしています。面倒なようですが、一読されることをお勧めします。

1 意識性の原則

筋肉トレーニングでも同様ですが、何のためのエクササイズをしているのか、その運動療法はどの部分に効果を及ぼしているのか。

このことをエクササイズの途中に絶えず自分自身の身体を意識しながら行うことが必要です。

行っているエクササイズによって体にどのような変化が起きてきているのか、この事を常にチェックしながら運動療法に取り組む必要があります。

2 個別性の原則

腰痛がある人は、みな同じ原因で症状が起こっている訳ではありません。
身長、体重、年齢、性別それぞれ違いがあります。運動療法は個々人の体力など、体の状態を考慮して行う必要があります。

誰にでも一様に同じ方法で行うエクササイズは、この個別性の原則を考慮していないため運動の構成自体のリスクが小さい構成になっています。そのため、多くの人は運動療法の効果を感じにくい事になります。

例えば、骨盤が前方に傾き腰の反りが大きな人と、骨盤が後方に起き上がり背中がフラットな人では筋肉トレーニングもストレッチ法も全く違う運動療法が必要になります。

3 全面性の原則

一昔前には腰痛の人は【腹筋・背筋を鍛えろ】と言われていました。確かに腹筋・背筋をトレーニングする事は一般的に対策として有効ではあります。

しかし、問題の根本は胸椎や股関節の可動性の低下が原因であることが少なくありません。

そのようなことから、症状を改善させるためには腰のみでなく、胸椎や股関節などの周辺関節や太腿やふくらはぎに効果を及ぼす必要があります。

また、基礎体力の低下で全身の筋力が落ちてしまっている事が原因にもなります。そのため、腰のみを対象とした運動療法だけではなく、全身運動としてウォーキングやスイミングで基礎体力を取り戻す事も考慮する事が全面性の原則につながります。

4 漸進性の原則

あなたがこのページのここまで読み進んでいるという事は、すぐにでも症状を改善する為の運動療法、筋肉トレーニングやストレッチに取り掛かりたい心境なのではないでしょうか?

しかし焦りは禁物です。腰痛を抱えているが故に、身体は発症以前の身体とは違う身体になっています。症状が起きないようにバランスを欠いた身体の動きになっているはずです。

そのことで、靭帯や筋肉は短縮・硬化し、関節は以前よりも運動性が低下しているはずです。あなたが想像しているよりもです。

早く回復させようと焦るあまり急に高負荷の運動療法を行うと、状態を悪化させるだけでなく、更に別の症状を抱え込むことになりかねません。

漸進性の原則とは、期間をかけて徐々にペースアップを図ることです。

5 過負荷の原則

いつも一定負荷でのトレーニングでは、体調維持には良いかもしれませんが、運動療法として症状を改善していくには負荷量が足りなくなります。

全く苦も無くトレーニングを続けられるほどの負荷ではトレーニングとしての意味をなしません。負荷が軽く感じ出したら徐々に負荷を上げていく必要があります。

といって、最初から飛ばし過ぎるのは禁物です。漸進性の原則ともかぶりますが、焦らず徐々に徐々に負荷を増していきましょう。

6 継続性の原則

トレーニングは結果を焦ってはいけません。今までトレーニングの習慣のない方が一念発起して運動療法に取り組みだすと、多くの場合最初はトレーニング器具などを買い込んで一生懸命やるのですが、性急に結果を求めすぎ早々に息切れして失速することが多くみられます。

その後、自分に言い訳をして理由をつけてはトレーニングをサボるようになり、いつしか全くやらなくなってしまいます。

運動療法は効果が実感できるまでに3か月はかかるものです。1年、2年といった中期的スパンで計画や目標を定める必要があります。

運動効果を示す目安では、毎日継続的にトレーニングした場合の効果を100とすると、1/2の1日おきのトレーニングでも殆ど変わらない効果だとされています。

ところが、これが5日ごとのトレーニングになると効果は半分の50となり、サボり癖がついて2週間毎のトレーニングでは、効果は全くなくなり0となります。

少しずつでも、継続することが重要です。
腰を庇い過ぎないように、大事にし過ぎない意識も必要です。腰を庇って大事をとりすぎる人ほど症状を長引かせるという研究結果もあります。

また、数日間の急性期は別にして、発症してから出来るだけ早期に運動療法に取り組む人ほど、数年後の再発率が低くなります。

腰痛克服に必要な運動療法とは

仕事では、デスクワークのような同一姿勢で長時間過ごすことが多く、移動も車での移動が多いとなると、年齢を重ねるほどに筋力は低下します。下肢から体幹部にかけての筋力不足は、腰痛のリスクを高めます。

運動不足を自覚し既に腰痛をお持ちの方が、何らかの運動療法に取り組むことは、症状の改善と再発防止に効果的なアプローチとなります。

この項目では、運動療法が腰痛改善につながる理由を解説しています。

最大酸素摂取量について

最大酸素摂取量の年齢別グラフ腰の筋肉が疲労しやすくなり、痛みが起きているのは、体幹部の筋肉量の減少と最大酸素摂取量の低下が背景にあります。

最大酸素摂取量が低下した状態とは、バテやすくスタミナ切れを起こしやすい状態と言い換えても良いかもしれません。

筋肉量は20代をピークとして、70代では30〜35%も骨格筋が消失します。

そして最大酸素摂取量は、スポーツやトレーニングなどに取り組まずに年齢を重ねた場合、20代前半をピークにして70代を迎えるころには、最大酸素摂取量はおよそ半分にまで低下します。

最大酸素摂取量とは、運動時などに1分間に身体中に酸素を摂取できる最大値をさします。最大酸素摂取量が上昇すると筋疲労が起きにくくなります。

腰痛対策として運動療法を取り入れる場合、筋肉量の増加と伴に最大酸素摂取量を増加させることが必要になります。つまり、疲労しにくい腰を再構築する必要があるということです。

疲労しにくい腰を作るには

体幹部の筋肉体幹部の筋力が低下していると、腰痛を発症する素地となります。それを改善するためには、体幹部と下肢の筋肉量を増加させる必要があります。

具体的には、深部で腰を支える多裂筋と腹横筋と呼ばれる筋肉が最も重要になります。

多裂筋と腹横筋は協調して体幹部を支えています。特に多裂筋は筋線維が細くなり、その部分が脂肪に置き換わる脂肪置換という現象が起きやすく、運動療法ではこの筋肉を重点的にトレーニングする必要があります。

※(それぞれの筋肉の特徴や、腰痛に至る原因、効果的なトレーニング法については、それぞれの個別の筋肉疾患のページやトレーニング法のページで解説しています。)

そして、下肢や体幹部の筋肉量増加と伴に、前項で挙げた最大酸素摂取量を増加させることも必要です。それぞれトレーニング法が異なり、無酸素運動と有酸素運動の両方を取り入れる必要があります。

無酸素運動 / 概略

筋肉量を増加させるためには、筋肉に短時間で高負荷をかけるトレーニングが効果的です。無酸素運動がこれにあたります。この無酸素運動の効果を最大限に高めたトレーニング法が加圧トレーニングです。

加圧トレーニングでは、目的とする筋肉へ走行している血管をベルトで固定することで、血流量を意図的にコントロールすることで無酸素状態を作り出します。

訓練を受けたトレーナーの元で行う方法であり、見よう見まねで行うのは大変危険です。脈管系を圧迫してのトレーニングでは血栓が生じやすくなり、肺塞栓や心筋梗塞を起こす可能性があります。

1人で行うトレーニングでは、従来からのオーソドックスなトレーニング法で行った方が良いでしょう。

有酸素運動 / 概略


最大酸素摂取量を高めるには有酸素運動が効果的です。筋肉にかかる負荷を小さくし、比較的長い時間トレーニングを行うと心肺機能が向上し、最大酸素摂取量が増加します。

有酸素運動を継続すると心筋が鍛えられ、1回に血液を送り出す量(1回心拍出量)が増加します。それと同時に、肺の酸素を取り込む能力も向上します。

筋肉はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる高エネルギー化合物を燃料としています。このATPを科学的に分解するときに酸素を必要とします。つまり、筋肉への血流量(酸素供給量)が大きいほど、ATPの化学変化がスムーズに行われ、筋肉疲労が起こりにくくなります。

また、有酸素運動を継続していると筋肉が酸素を取り込む能力が向上し、より少ない血流量でも十分な収縮力を発揮できるようになります。

このように最大酸素摂取量は、心臓、肺、筋肉を三位一体でトレーニングすることで向上し、結果として疲労しにくく痛みが起きにくい腰を構築できます。
腰痛を改善させるための運動療法では、無酸素運動と有酸素運動の両方をメニューに組み込む必要があります。

無酸素運動で筋肉量を増加させ、有酸素運動で心肺機能を高め最大酸素摂取量を増やすことが、腰痛克服につながります。
慢性的な腰の痛みを改善させるためには、生活の中に運動療法を取り入れることが有効ですが、急性期の激しい痛みがあるときや、腰の痛みの質が今までと変化しているようでしたら、闇雲に運動療法に取り組むべきではありません。

指導者なしで運動療法に取り組む場合には、腰の痛みが増しているときには安静を第一としてください。

安全で効果的に行うための注意点

長期間トレーニングや運動から離れていた方が、一念発起して急に高負荷でのトレーニングなどを始めると、腰痛の症状を悪化させるばかりか、最悪の場合には心筋梗塞などで命を落としかねません。

学生時代に運動部で体を鍛え体力に自信がある方でも、長期間運動から離れていた場合には、筋力や心肺機能を含めた身体能力はあなたが想像しているよりも大きく低下しています。

ここから先の項目では、腰痛を改善させるための運動療法を安全で効果的に行うために、最低限知っておきたいことを解説しています。

トレーニング頻度について

長期間運動から離れていた人や、そもそも運動することに縁がない方は、腰痛を改善するためのトレーニングといっても、どの程度の負荷で、どのくらいの頻度で行えば良いのか見当もつかないのではないでしょうか?

事故を防ぐためには【運動療法の6原則】でも触れた漸進性の原則を念頭にトレーニングを行う必要があります。

回復を焦るあまりに、いきなり高負荷での運動を行うと効果がないばかりか、症状をより悪くしたり、最悪の場合には命に関わる問題に発展します。負荷量やペースは徐々に上げていくことが必要です。

ここでは、効率的なトレーニング頻度について解説します。

超回復の原理

超回復のグラフ腰の痛みを回復させようとトレーニングの結果を早期に求め、連日負荷をかけ続けても、効果が表れるわけではありません。

トレーニングを科した筋肉には超回復という現象が起きるためです。


一定負荷以上のトレーニングを行うと、筋肉は疲労期を経過した後、超回復期に運動で受けた刺激によってアミノ酸からタンパク質を合成し、筋線維を肥大させます。

筋肉はトレーニング後の休養期間に筋肉量が増加します。トレーニングの質や筋肉の種類にもよりますが、運動後の約24〜48時間は最も盛んにタンパク質が合成されている期間です。

この超回復期に十分にタンパク質を摂取し、筋肉を休養させると、筋肉量が増加しパフォーマンスが向上します。
連日のトレーニングは効果的とはいえず、1日〜2日おき位のペースが無駄のない効率的なトレーニングペースとなります。しかし、休養期間が長すぎると、運動の効果は失われます。

5日ごとのトレーニングでは、効率的な運動頻度に比べ効果が半分以下に低下します。10〜14日の間隔が空いてしまうと運動効果は0です。

運動療法では、前回のトレーニング効果が失われないうちに次のトレーニングを行い、効果の上積みを図る必要があります。

運動強度について

運動療法は効果を求めるだけでなく、安全にも留意する必要があります。腰の回復を焦るあまりに、事故の危険を考慮しないのでは本末転倒です。

この項目では、運動強度や負荷量について解説します。

結論から述べると、腰痛を回復させるためのトレーニングや運動療法で、『何キロの負荷が適当である。』といったような万人共通の負荷量というものはありません。

個々人で基礎的な体力に違いがあるため、万人共通の適度な運動強度ありませんが、事故を未然に防ぐ概ねの目安はあります。

心臓の予備力

心臓の解剖図長期間運動することから離れている。そもそも運動する習慣がなかった。あなたがこれに当てはまるようでしたら、運動療法としていきなり高負荷の無酸素運動から始めることはお勧めできません。まず軽めの有酸素運動で、心臓の予備力を増加する必要があります

安静時の心臓は、1分あたり平均で5リットル程の血液を送り出しています。運動時などにその値は最高になり、30〜35歳の男性では1分間に20リットルもの血液を拍出します。これを最大心拍出量といいます。

最大心拍出量から安静時心拍出量を引いた値が心臓の予備力です。

あなたがオフィスで、3〜4階のフロアを階段で移動したり、駅のホームの階段を速足で駆け上がっただけで、息切れしたり、心臓の鼓動を感じるようでしたら、心臓の予備力が相当低下していると考えてよいでしょう。

上記のような事に身に覚えがあるようでしたら、いきなり高負荷での筋肉トレーニングを始めることはとても危険です。トレーニング中に心筋梗塞や脳卒中を起こす恐れがあります。

仮に、トレーニング中にそのような事態が起こらずとも、当日の夜、休息中に心室細動を起こし死に至る危険もあります。また、心臓の予備力だけの問題ではなく、血圧の問題も考慮する必要があるため、いきなり筋肉トレーニングを開始することはお勧めできません。

運動の習慣がなかった方や、長期間運動から離れていた方は、低負荷での有酸素運動を継続し、心臓の予備力が構築されてから筋肉トレーニングを取り入れるといった計画性が必要です。

有酸素運動での望ましい運動強度

有酸素運動で心臓の予備力を増加させるといっても、運動強度が低すぎれば安全ではあってもトレーニング効果が望めなかったり、強度が高すぎると効果が高くなると同時にリスクも高くなります。

運動療法として取り組む場合には、最大酸素摂取量の40〜70%の運動強度が効果と安全性の観点から望ましいとされます。
運動強度 30代  40代  50代
 40%  110  105  100
 50% 120  115  110
 60%  135  130  125
 70% 145  140  135

といっても、自分の最大酸素摂取量がどれほどの値にあるのか、分からない方が殆どであると思います。ここでは心拍数を用いた簡便な方法を紹介します。


表は年代別の心拍数と運動強度を現した表です。運動強度を心拍数から推定するには、何らかの運動をした直後の1分当たりの心拍数を計ります。

例えば40代の方が、速足で20分間歩いた直後の1分間の心拍数が105であったら、その運動強度は、最大酸素摂取量の40%の運動強度に相当します。

これが、運動直後の1分当たり心拍数が140であった場合、その運動は最大酸素摂取量の70%の負荷の運動強度であると言えます。

長期間運動から離れていた方が、いきなり運動強度70%でトレーニングを開始することは到底お勧めできません。

まず最大酸素摂取量の40%の運動強度から始め、その強度で2〜3週間継続し、その後50%で2〜3週、60%で2〜3週というように段階的に運動強度を引き上げていく必要があります。

運動強度の上限

トレーニングに慣れても、運動強度の上限は最大酸素摂取量の70%までとするのが良いでしょう。最大酸素摂取量の60〜70%の負荷での運動が、安全と効果のバランスがとれている閾値になります。
血液中の乳酸の画像
筋肉の疲労度の計測では血中乳酸値が1つの目安になります。

血液中に乳酸が増えてくると体液が酸性に傾き、疲労して運動を継続できなくなります。



運動強度60〜70%を超えると、血中乳酸値が急激に増加します。最大酸素摂取量の60〜70%の運動はその分岐点になります。

これ以上の負荷となると、無酸素運動の要素が徐々に大きくなり、心肺機能への負担が増し心筋梗塞などのリスクが高まります。

最大酸素摂取量を基準にした運動強度70%以上とは、アスリートの領域であると考えてください。
最大酸素摂取量や心臓の予備力の視点から、望ましい運動強度について解説しましたが、血圧の問題にも少し触れておきます。
血圧を測っている様子
安静時最高血圧が150を超えているような方は、トレーニング開始にあたり医師へ相談するのが望ましいでしょう。
また、高血圧の方は有酸素運動をメインにすべきであり、高負荷の無酸素運動である筋肉トレーニングには十分な注意が必要です。

ちなみに、血圧を下げるのに効果的な運動とは、以下のような運動です。
  • 運動強度 / 最大酸素摂取量の50%
  • 1回の運動時間60分
  • 運動頻度 / 1週間に3回
以上の運動を10〜12週以上継続すると、血圧を下げる効果がみられるという研究があります。

腰痛の運動療法 / まとめ

腰痛を改善する、再発を防ぐには運動療法を取り入れることが有効ですが、無酸素運動での筋肉トレーニング、有酸素運動での最大酸素摂取量の増加、この双方を満たす必要があります。

しかし、今まで運動から離れていた方が、いきなり高負荷での無酸素運動である筋肉トレーニングを始めるのはリスクがあります。まず、有酸素運動を3か月ほど継続的に行い、心肺機能を強化する必要があります。

腰痛を改善させるための運動療法として、生活に有酸素運動を取り入れるのでしたら、水泳(クロール・背泳ぎ)が望ましいと思います。水泳は浮力で腰への負担が軽減する他、水の抵抗があるため運動効果が高まります。

最も取り組みやすいジョギングは、現在腰痛をお持ちの方にはお勧めできません。下肢からの衝撃荷重が大きく、腰痛症状を悪化させかねません。

ジョギングに取り組んで問題ないのは、すでに腰痛の症状が殆どない方が、再発防止のための運動療法の一環で行う場合です。

そして、大切なこと。下記のような場合は運動療法は中止してください。
  • 飲酒した場合。または、二日酔いのとき
  • 睡眠を十分に取れなかったとき
  • 風邪などの体調不良時
  • 肉体的疲労を強く感じるとき
  • 精神的疲労感を感じているとき
※ 有酸素運動での運動強度などについて解説しましたが、無酸素運動での筋肉トレーニングについては【腰痛の筋トレ法】のページで改めて解説します。
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