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鍼灸いちご治療院 鍼灸師・八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


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  • 腰痛の症状を軽減させるテーピング方について解説しています。
腰の痛みを軽減させるテーピング法

腰痛のテーピング 【鍼灸師が執筆・監修】

腰痛時のテーピングについて解説しています。腰の痛みを引き起こす原因ごとに、最も効果的な5つのテーピング法を紹介しています。

テープの画像
腰の痛みを引き起こす疾患には、対応を誤ると命に関わるものや、重篤な後遺障害が残る疾患もあります。
相当程度の痛みや体の異変を感じている場合、医師や専門家に相談してください。安易な自己判断は大きな後悔につながる事もあります。
あなたが今ご覧になっている【腰痛のテーピング】のページは以下の項目で構成しています。
鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

テーピングを行う前の注意点

腰痛症状を改善するためにテーピングを行う前に、以下のことに注意してください。

  • テーピングは全ての腰の痛みに有効というわけではなく、いくつかの限定された状態にのみ有効な方法であるとご理解ください。
  • 腰痛の症状は大きく3つに分類され、その内の1つred flags signに当てはまる症状がみられた場合、漫然とセルフケアで対応すべきではなく、しかるべき医療機関の受診をお勧めします。危険な腰痛か否かを見極めるリストを腰痛改善の鍼灸・治療院に電話する前にで解説しています。
  • テーピングしている皮膚面は汗などでカブレやすい状態にあります。汗をかいた場合には入浴時にテープをはがし、皮膚を清潔に保つことが必要です。
  • テーピングを含めたセルフケア法は軽度の腰痛に対して行う方法であり、どこへ行っても治らなかった重度の腰痛にはその原因に合わせた治療が必要です。セルフケア法での対処は、治療による効果に+アルファをもたらす位のものであり、重度の腰痛をそれだけで治すのは困難です。
  • いくつかのタイプの腰痛ではテーピングを行うと症状が軽減します。しかし、その状態はテープの効果で症状が緩和しているだけであり、治っているわけではありません。つまり、治ったと勘違いして無理をしてしまうと、腰の状態を以前より悪くしてしまう可能性があります。
  • ここから先でいくつかのテーピング法を紹介しますが、私はあなたの腰を拝見していませんし、腰痛に至る経緯をお聞きした訳でもありません。以下で紹介する方法が自分に適しているのかどうかはご自身で判断され、自己責任で行ってください。

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テープを使うことの効用と根拠


このページで紹介する【腰痛のテーピング法】に使用するテープは、伸縮タイプのサージカルテープを使います。

捻挫のテーピング・イメージ図
捻挫などの時に行う、伸縮性のないテープでがっちり固定して患部を保護するテーピング法とは目的が異なります。

伸縮タイプのキネシオロジーテープ、またはサージカルテープをご用意ください。

捻挫の時には、患部の靭帯が過剰に伸びてしまったり、断裂しているために固定して保護する必要がありますが、そもそもラグビーなどの激しいコンタクトスポーツや交通事故や転落事故などでもなければ、日常生活で腰椎が捻挫することはそれほど多い事ではありません。

つまり、腰痛の時のテーピング法は捻挫の時の【固定】するという考えとは異なった対応が必要になります。

具体的には…
  • 筋肉の動きを妨げない。
  • 血液を含む体液の循環を促す。

上記2点の条件を満たす必要があり、それを可能にするのが伸縮タイプのキネシオロジーテープを用いての方法になります。


テーピングすることの効用

痛みの負のスパイラル模式図
腰痛の時には多くの場合、以下のようスパイラルが起きています。
  • 腰痛が起きる。
  • 痛みに対する防御反射によって、筋肉が硬くなる。
  • 筋肉が硬くなったことで、循環障害が起きる。


この負のスパイラルに入り込んでいる状態が慢性腰痛です。腰痛から抜け出すためには、兎にも角にもこの悪循環を断ち切る必要があります。

ここで注意が必要なのは、痛みを止めるために湿布や消炎鎮痛剤を長期に使い続けることは、逆効果になる事もあると知っておくことです。
湿布や薬の正しい使い方や弊害について
腰痛と湿布・薬のページで解説しています。参考にしてみてください。

3か月以上に渡る腰の痛みでは、基本的には積極的に温めることが必要です。また、先ほど挙げた負のスパイラルを断ち切る必要があります。

伸縮タイプのサージカルテープやキネシオロジーテープを用いてのセルフケアは、痛みの悪循環から抜け出す自助努力の1つになります。多くの場合、痛みが軽減する良循環に誘導する効用が見込めます。



テーピングで痛みが軽減する3つの根拠

テーピングによって痛みが緩和する根拠の1つは、ゲートコントロール・メカニズムと呼ばれる人体に予め備わっている鎮痛システムが作動するためです。

痛みを伝える神経には、C神経とAδ(エーデルタ)神経の2種類の神経線維があります。これらの神経は線維が細く比較的情報伝達速度が遅い神経です。

これに対しAβ(エーベータ)神経と呼ばれる触覚や圧力を感じ取る神経は、上記に挙げた痛みを伝える神経よりも神経線維が太く、情報伝達速度が速い特徴があります。この情報伝達速度の違いが痛みの抑制に大きく関わります。

体に感じられる痛みは、脳に情報が伝えられることで我々は痛みを認識しています。そして、脳に伝えられる前に脊髄でその情報を一旦中継しています。

ところが、痛みの情報が脊髄に伝わっていても、触覚や圧力を伝える神経からの情報が到達すると、痛みの情報がブロックされます。この現象を起こしているのがゲートコントロール・メカニズムです。

痛いの痛いの飛んでいけ
のページで、皮膚面を刺激することで痛みが緩和する理論的根拠について解説しています。

  • 皮膚面にテープを貼り付けると痛みが軽減するのは、このゲートコントロール・メカニズムが働くためであり、痛みを抑制することで悪循環の連鎖を軽減する事ができます。
  • 収縮するタイプのテープを皮膚面に貼付すると、皮膚が浮き上がりつつ引っ張られることになり、皮下の筋膜に対する【筋膜マッサージ】に類似した効果をもたらし、筋膜の緊張度が低下します。
  • 筋膜の緊張度の低下によって、筋肉内圧も低下し張りつめた筋肉は柔軟性を回復する。そのことによって結果的に循環が改善される。

以上のように、伸縮タイプのサージカルテープやキネシオロジーテープを用いてのセルフケア法は、痛みの悪循環を断ち切り、良循環に誘導するきっかけになります。

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キネシオロジーテープを用いての実践編


腰痛に対するテーピングでは、その原因によってテープを貼る方法が異なります。この項目では原因ごとに違うテープの貼り方を解説しています。

腰部の筋肉・解剖図
テープを貼るということは、腰部の筋肉を意識しての事となります。貼付方向もそれぞれの筋肉の走行方向に準拠した貼り方となります。

原因によって貼り方が異なりますので、あなた自身の腰の痛みの症状に合致した方法をとってください。


使用するテープ素材について

使用するテープは伸縮性のあるサージカルテープを使います。ドラッグストアで購入することが出来ます。伸縮しないテープは捻挫などの固定用であり、腰痛の症状を緩和するためのテーピングには適さないことを御理解ください。

キネシオロジーテープ/25ミリ・50ミリこのページで紹介する方法では、25ミリ幅のものと50ミリ幅のものを使用しています。

使い分けて使用するのが望ましいですが、25ミリ幅のテープを並べて貼付し50ミリとする、50ミリテープを縦に切って25ミリしても構いません。

それぞれのテープを15センチ、30センチ、40センチなどのような長さにカットして使用します。貼り方を解説している写真で例示しているテープの長さは、平均的な成人男性を対象にした長さとなっています。御自身の身長や体格に合わせ調節してください。

任意の長さにカットしたテープの端は、丸くすると剥がれにくくなります。



原因に合わせた5つのテーピング法 / ルート案内

ここから先が、それぞれの腰の痛みの原因に合わせたテーピング法の解説となります。以下の5つの項目で構成しています。

筋肉の動きを妨げず、動きをサポートすることが目的のテーピング法です。
どのタイプのテープ貼付法も、基本的には目的の筋肉が伸びるような形でテープを貼り付けることがポイントになります。

このページで紹介する疾患別のテーピング法の他に、
腰痛のツボ・患部に対する局所治療の方法で、サージカルテープと1円硬貨・10円硬貨を使い、
キネシオロジー効果と生体の微弱電流の相乗効果を狙ったテーピング法を紹介しています。参考にしてみてください。




多裂筋が原因となっている腰痛への貼り方


多裂筋が機能不全の状態にあると以下のような症状が現れます。

  • 椅子に座っている時に痛みが起きやすく、腰の下部中央が痛む
  • 髪を洗う、顔洗うなどの前かがみの姿勢で痛みが起きる
  • 起床時に痛みが起きやすく、行動しているうちにいくぶん症状が軽減する
  • 立ち上る瞬間、歩き出そうとする瞬間、前屈から体を起こす瞬間といったように行動を切り替える瞬間、瞬間に痛む

多裂筋と大腿二頭筋

腰の中心部の多裂筋に対するテーピングでは、多裂筋、側腹部の筋肉、太もも裏面の大腿二頭筋に視点を向ける必要があります。

これは多裂筋と、側腹部の筋肉、大腿二頭筋が運動連鎖の関係にあるためです。


多裂筋について
腰の中心の痛みのページでさらに詳しく解説しています。多裂筋の位置などを確認してください。


貼付前のポーズ
多裂筋にテープを貼るにあたり、左に写真のようなポーズをとります。このポーズは、背部に張る場合の基本ポーズとなります

右の腰に貼る場合には右腕を左足にに向けて、やや捻るようにして多裂筋を伸ばした状態でテープを貼付します。
多裂筋へのテープ
背部に貼る基本ポーズをとり、背骨の際にテープを貼ります。

25ミリ幅のテープを30センチの長さにカットし貼り付けます。

テープを伸ばさずそのままの長さで使用することに注意してください。
側腹部の筋肉へのテープ貼付方向
次に、側腹部の筋肉群にテープを貼付します。側腹部は腰とは関係ないように思えるかもしれませんが、運動連鎖上重要な意味を持ちます。

多裂筋は、側腹部の筋肉の中では腹横筋との機能的連携が密接ですが、胸腰筋膜を介し外腹斜筋、内腹斜筋との関連もあるため、3つの筋肉に50ミリ幅のテープを貼ります。

テープの方向は左図の通りです。
内腹斜筋@〜A
腹横筋B〜C
外腹斜筋D〜E

内腹斜筋へのテーピング
内腹斜筋へのテーピング法

膝を90度に立て、テープを貼付側に膝を傾けて貼り付けます。

息を吸い込みお腹を膨らませてください。
テープは伸ばさず貼付します。

外腹斜筋へのテーピング
次に外腹斜筋にテープ貼付です。
膝を90度に立てるのは内腹斜筋と同様ですが、外腹斜筋ではテープを貼付する反対側に膝を倒します。
息を吸い込み、お腹を膨らませます。
テープは伸ばさず、そのままの長さで貼ってください。

腹横筋へのテーピング
腹横筋へテープを貼る時は、立位の方がやりやすいかと思います。

貼付する反対側へ体を倒し、わき腹をやや伸ばします。

テープは元の長さの1.3〜1.5倍に伸ばして貼付します。


大腿二頭筋へのテープ貼付方向
最後に太ももの裏側の大腿二頭筋にテープを貼付して完了です。

大腿二頭筋は坐骨から膝外側にかけての筋肉ですが。

骨盤裏面から坐骨までに存在する仙結節靭帯を介して多裂筋と関連するため、骨盤裏面までテープを伸ばします。

大腿二頭筋へのテーピング
背中にテープを貼る基本ポーズをとり、大腿二頭筋をやや伸ばした状態でテープを貼付します。

坐骨上を通過させ、骨盤裏面にまで50ミリ幅テープを到達させます。
テープは伸ばさず貼付します。

多裂筋ユニットへのテーピング完了形
多裂筋の機能単位としてのユニットへのテーピングは左の写真のような形で完了です。

反対側にも同様にテープを貼付します。



正しいテーピングの完了形

とても重要なポイント

今までの写真上では衣服上からテープを張っているため、貼り付けたテープがピンッと張っている状態となっていますが、正しいテーピングの完了形は左の写真のように、貼り付けたテープそれぞれが緩み、しわが寄っているのが正しい貼り付けた状態です。

撮影の都合上、衣服の上からのテープ貼付であるためと御理解ください。
張りつめた状態でテープを貼付すると、筋肉の動きと体液の循環が阻害され、腰痛の症状を緩和する目的に適いません。

5つのテーピング法 / ルート案内へ



腰方形筋が原因となっている腰痛への貼り方


腰方形筋が機能不全の状態にあると以下のような症状が現れます。

  • 腰の中心部よりも、外側に痛みが起きる
  • わき腹から腰の中心の方向へ押すと痛む
  • くしゃみをしたり、強めの咳をすると痛みが起きる
  • 痛む側に身体を傾けたくなる
  • 腰の高さが左右で違うような気がする
  • 椅子から立ち上がるときに最も痛む

腰方形筋解剖図
腰の外側が痛む腰方形筋に対するテーピングでは腰方形筋の他、痛みが起こっている反対側の臀部の筋肉にも視点を向ける必要があります。

臀部の筋肉のうち、中殿筋と呼ばれる筋肉がその対象になります。

例えば、
右腰の外側が痛む場合、左側の中殿筋がバイオメカニクス上重要なポイントとなります。

腰の右側、左側の痛みのページで、腰方形筋の痛みが起こる理由や生体力学について更に詳しく解説しています。

腰方形筋ユニットのテーピング貼付方向
腰方形筋が原因となっている腰痛では、左の図のようにテープを貼付します。

腰方形筋は青色のラインのように、肋骨下端から骨盤上縁に存在する筋肉です。

中殿筋は臀部のみの筋肉ですが、腰方形筋との運動連鎖が存在し、機能上切り離せない一括りのユニットです。
そのため、中殿筋へのテープの貼付は、臀部を越えて腰方形筋にかぶせるように貼り付けます。



貼付前のポーズ
腰方形筋にテープ貼付にあたり、写真のようなポーズをとります。
このポーズは、背部に張る場合の基本ポーズとなります
右の腰に貼る場合には右腕を左足にに向けて、やや捻るようにして多裂筋を伸ばした状態でテープを貼付します。

腰方形筋へのテーピング
25ミリ幅のテープを15センチ程にカットしたものを4本、17センチほどのカットしたものを4本用意します。

腰方形筋がやや伸びるように、基本姿勢をとり、
テープを引っ張らずそのままの長さで貼り付けます。
腰方形筋へのテーピング完了形
腰方形筋へのテープ貼付完了は、左の写真のようになります。

写真上では、テープがピンと貼っていますが、撮影の都合上のことであり、本来はテープが緩みしわが寄った状態が正しくテープが貼れた状態です。

中殿筋へのテーピング法
次に中殿筋にテープを貼ります。
中殿筋へは50ミリ幅のテープを使用します。腰方形筋との運動連鎖を考慮し、骨盤を越えて腰方形筋にまで届くテープの長さが必要です。背部基本姿勢をとり、
テープを引っ張らないようにそのままの長さで貼り付けます

腰方形筋ユニットへのテーピング完了形
腰方形筋の機能単位としてのテーピングは左の写真のような形で完了です。

痛みがある腰方形筋だけでなく、運動連鎖の関係にある臀部の中殿筋へもテープを貼付することがポイントです。

正しいテーピングの完了形

とても重要なポイント

今までの写真上では衣服上からテープを張っているため、貼り付けたテープがピンッと張っている状態となっていますが、正しいテーピングの完了形は左の写真のように、貼り付けたテープそれぞれが緩み、しわが寄っているのが正しい貼り付けた状態です。

撮影の都合上、衣服の上からのテープ貼付であるためと御理解ください。
張りつめた状態でテープを貼付すると、筋肉の動きと体液の循環が阻害され、腰痛の症状を緩和する目的に適いません。

5つのテーピング法 / ルート案内へ



胸腰筋膜が原因となっている腰痛への貼り方


胸腰筋膜炎などの状態になると以下のような症状が現れます。

  • 背中から腰にかけて、パンッと張っているような痛みがある
  • 腰にこわばりや引きつるような感覚がある
  • 仕事やスポーツで体を酷使している
  • 腰の症状の他、腕や脚も故障が起きやすい
  • 腰の他、臀部にも違和感を感じやすい
  • 温めるよりも冷やした方が痛みが緩和する
  • 腰のキレの悪さを感じる

胸腰筋膜・クロスの運動連鎖
腰に張りを感じる胸腰筋膜の問題では、テーピングにあたり胸腰筋膜の他、広背筋と大殿筋に視点を向ける必要があります。

これは胸腰筋膜を介し、広背筋と臀部の大殿筋が運動連鎖する関係にあるためです。

具体的には
右広背筋と左大殿筋左広背筋と右大殿筋といったようにクロスする運動連鎖が存在します。




胸腰筋膜性腰痛のページで、胸腰筋膜が問題を起こすバイオメカニクス上の理由について詳しく解説しています。

胸腰筋膜ユニットへのテーピング法
腰部から背部にかけて存在する胸腰筋膜が腰痛の原因であった場合、そのテーピング法では、広背筋と臀部の大殿筋を含めたテープの貼付法をとる必要があります。

具体的には上腕の付け根の部分から、太ももの付け根(大転子)のやや下の部分にテープを貼ります。

生体力学上では、右広背筋、胸腰筋膜、左大殿筋のユニットと、左広背筋、胸腰筋膜、右大殿筋の機能単位になっていて、テープ貼付方向は胸腰筋膜上でクロスするように貼り付けます。

貼付前のポーズ
他の腰痛へのテープを貼る方法と同様に、胸腰筋膜でも同様の基本姿勢でテープを貼ることになります。

この姿勢をとることで、広背筋、胸腰筋膜、大殿筋がユニットとして1つのライン上に並びます。

右広背筋・胸腰筋膜・左大殿筋へのテーピング
50ミリ幅テープを使用します。

広背筋上縁〜大殿筋上縁、広背筋下縁〜大殿筋下縁というように片側2本づつ、計4本のテープを使用します。
テープを貼り付ける際は、引っ張らずそのままの長さで貼り付けます

左広背筋・胸腰筋膜・右大殿筋へのテーピング
反対側も同様に貼り付けます。

このとき基本ポーズの向きが反対になることに注意してください。

両方向貼ることで、胸腰筋膜上でのクロスする運動連鎖を補助することになります。

胸腰筋膜ユニットへのテーピング完了形
とても重要なポイント

写真では衣服上からテープを張っているため、臀部に貼り付けたテープがピンッと張っている状態となっています。正しいテーピングの完了形は、貼り付けたテープそれぞれが緩み、しわが寄っているのが正しい貼り付けた状態です。

正しいテーピングの完了形
撮影の都合上、衣服の上からのテープ貼付であるためと御理解ください。皮膚に貼り付けたテープが緩んでいるの状態が最も効果的です。張りつめた状態でテープを貼付すると、筋肉の動きと体液の循環が阻害され、腰痛の症状を緩和する目的に適いません。


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椎間板ヘルニアや椎間板症による腰痛への貼り方


椎間板ヘルニアや椎間板症になると以下のような症状が現れます。

  • 背中を丸めると痛みが起こる
  • 痛みがひどい時には靴下を履けない
  • くしゃみや強めの咳をすると痛みが起きる
  • 立っているよりも座っている方が痛む
  • 背中を伸ばした姿勢にしていると症状は軽減する
  • 立位や座位で体を傾けたくなる
  • 臀部や脚に痛みやしびれがある

椎間板ヘルニア模式図フラットバック姿勢イメージ図

椎間板ヘルニアや椎間板症に対するテーピングでは、腰の他に太もも裏面と腹部に視点を向ける必要があります。その理由は、椎間板ヘルニアや椎間板症発症に腰の弯曲の度合いが関わるためです。


腰の弯曲が浅いフラットバック姿勢の人は、日常的に椎間板に負担が掛かっています。腹部と太もも裏面の筋肉の緊張が高く(@・A)、腰の多裂筋や脊柱起立筋の筋力低下(B)が起きると骨盤が起き上がり腰の弯曲が浅いフラットバック姿勢になります。

腰の弯曲が浅くなると椎間板への圧縮荷重が増加し、そのダメージの蓄積が椎間板ヘルニアや腰部椎間板症発症の遠因になります。

そのため、これらの疾患が発症した場合には椎間板への圧力を軽減する必要があり、腰部の他、腹部と太腿裏面の筋肉へほテーピングがその目的に適うことになります。

椎間板ヘルニアや椎間板症は、必ずしもフラットバック姿勢の人にのみ発症する訳ではありませんが、これらの疾患の時には椎間板にかかる負荷を軽減する必要があるため、同様のテーピング法になります。

椎間板ヘルニア腰椎症・腰部椎間板症のページで原因や治療法について解説しています。


椎間板症・椎間板ヘルニアでの側腹部テーピング図
まず側腹部の筋肉にテープを貼付します。腹部は腰とは関係ないように思えるかもしれませんが、運動連鎖上重要な意味を持ちます。

側腹部の筋肉中では腹横筋と腰部の筋肉との機能的連携が密接ですが、胸腰筋膜を介し外腹斜筋、内腹斜筋との関連もあるため、3つの筋肉にテープを貼ります。また、腹直筋が柔軟性を失うと椎間板への負荷が増すため、腹直筋へもテープを貼りサポートします。
内腹斜筋@〜A
腹横筋B〜C
外腹斜筋D〜E
腹直筋F〜G

内腹斜筋へのテーピング
内腹斜筋へのテーピング法

膝を90度に立て、50ミリ幅のテープを貼付側に膝を傾けてから貼り付けます。
息を吸い込みお腹を膨らませてください。
テープは伸ばさず貼付します。

外腹斜筋へのテーピング
次に外腹斜筋に50ミリ幅のテープを貼ります。膝を90度に立てるのは内腹斜筋と同様ですが、外腹斜筋ではテープを貼付する反対側に膝を倒します。
息を吸い込み、お腹を膨らませます。
テープは伸ばさず、そのままの長さで貼ってください。

腹横筋へのテーピング
腹横筋へテープを貼付には、立位の方がやりやすいかと思います。
貼付する反対側へ体を倒し、わき腹をやや伸ばします。使用するテープは50ミリ幅の物を使用します。
テープは元の長さの1.3〜1.5倍に伸ばして貼付します。

腹直筋へのテーピング実演
腹直筋へのテープの貼付も立位で行います。息を吸いお腹を膨らませた状態でテープを貼ります。
腹直筋を十分伸ばした姿勢でテープを貼るのが理想ですが、それが適わない場合、テープを元の長さの1.3倍程に伸ばして貼付します。

腹部のテーピング完了形
腹部の筋肉群へのテープ貼付完了は、左の写真のようになります。
写真上ではテープの方向性を解かりやすくするため、テープがピンと張っていますが、撮影の都合上のことであり、本来はテープが緩みしわが寄った状態が正しくテープが貼れた状態です。

太もも裏面へのテーピングの位置
次に腰椎を保護するためのテーピングと大腿裏面にテープを貼ります。
大腿裏面の筋肉は坐骨から膝までの筋肉ですが、骨盤裏面の靭帯を介し運動連鎖の関係にあるため、テープは骨盤裏面にまで到達させます。腰椎保護テープは腰椎4〜5番を意識して貼付します。


腰椎保護テーピング法
腰椎保護を目的とするテープの貼付法は、
やや前傾姿勢をとり、50ミリ幅のテープを元の長さの1.2〜1.3倍程に伸ばして貼付します。
腹横筋テープの延長線上をクロスの中心とすると、概ね腰椎4〜5番の高さになります。

太もも裏面へのテーピング法
太腿裏面への貼付法は、可能な限り体を前屈した姿勢で、尚且つ膝を伸ばした状態で50ミリ幅のテープを貼ります。
腰椎保護テープの下端から、膝の内外側に向け貼付します。

テープは伸ばさず貼付します。

椎間板症・椎間板ヘルニアテーピング完了形
椎間板症・椎間板ヘルニアの症状を緩和するテーピングは左の写真のような形で完了です。

腰椎の弯曲をサポートする必要があるため、腰部だけでなく、腹直筋と大腿裏面に視点を向ける必要があります。

正しいテーピングの完了形

とても重要なポイント

写真では衣服上からテープを張っているため、貼り付けたテープがピンッと張っている状態となっていますが、正しいテーピングの完了形は、貼り付けたテープそれぞれが緩み、しわが寄っているのが正しい貼り付けた状態です。


撮影の都合上、衣服の上からのテープ貼付であるためと御理解ください。
張りつめた状態でテープを貼付すると、筋肉の動きと体液の循環が阻害され、腰痛の症状を緩和する目的に適いません。

5つのテーピング法 / ルート案内へ



腰椎変性すべり症・脊椎不安定症・分離すべり症での腰痛への貼り方


腰椎変性すべり症や脊椎不安定症では以下のような症状が現れます。

  • 前屈動作、後屈動作いずれでも痛みが生じる
  • 自分で腰の背骨を触ると、ポコッと落ち込む部分がある
  • 同一姿勢から体を動かした10〜30秒後に痛みが起こる
  • 牽引治療を受けると、後で調子が悪くなる
  • 40代以上の女性である
  • 60代以上の男性である

腰椎変性すべり症模式図腰椎前弯姿勢イメージ図

腰椎変性すべり症や脊椎不安定症でのテーピングでは、腰部、側腹部、太もも前面への視点がが必要です。これらの疾患(分離すべり症含む)では、腰椎の前方への弯曲が大きくなると症状が悪化します。

腰の多裂筋や脊柱起立筋(@・A)の緊張度が増すと、骨盤が前方へ回旋し結果として腰椎の前方への弯曲(B)が大きくなります。

そのため、腰椎変性すべり症、脊椎不安定症、分離すべり症では腰椎の前方への弯曲を弱める対応が必要になります。

腰椎変性すべり症脊椎不安定脊椎分離すべり症の症状、原因、治療についてそれぞれのページで詳しく解説しています。


側腹部の筋肉へのテープ貼付方向
側腹部の筋肉群にテープを貼付します。腹部は腰とは関係ないように思えるかもしれませんが、運動連鎖上重要な意味を持ちます。

腰椎を支える最も重要な筋肉は多裂筋と呼ばれる筋肉です。多裂筋は側腹部の筋肉の中では腹横筋との機能的連携が密接ですが、胸腰筋膜を介し外腹斜筋、内腹斜筋との関連もあるため、3つの筋肉にテープを貼ります。

内腹斜筋@〜A
腹横筋B〜C
外腹斜筋D〜E

内腹斜筋へのテーピング
内腹斜筋へのテーピング法
膝を90度に立て、貼付側に膝を傾けてから貼り付けます。
息を吸い込みお腹を膨らませてください。
テープは伸ばさず貼付します。
腹部に使用するテープは50ミリ幅です。

外腹斜筋へのテーピング
次に外腹斜筋にテープ貼付です。
膝を90度に立てるのは内腹斜筋と同様ですが、外腹斜筋ではテープを貼付する反対側に膝を倒します。
息を吸い込み、お腹を膨らませます。
テープは伸ばさず、そのままの長さで貼ってください。

腹横筋へのテーピング
腹横筋へテープを貼付には、立位の方がやりやすいかと思います。

貼付する反対側へ体を倒し、わき腹をやや伸ばします。

テープは元の長さの1.3〜1.5倍に伸ばして貼付します。

胸椎・腰椎エリアへのテーピング位置
脊椎不安定症や腰椎変性すべり症では、胸椎エリアへの視点が重要なポイントとなります。
構造上、腰椎は回旋可動域が極めて小さく、胸椎の可動性でそれを補っています。つまり、胸椎の可動性が低下すると腰椎に負担が掛かってしまいます。

胸椎・腰椎エリアの可動性サポートのテーピングは、肩甲骨上縁から骨盤裏面に貼付します。

腰椎保護テープは腰椎変性すべり症では腰椎4番、分離すべり症では腰椎5番を意識します。

胸椎・腰椎エリアへのテーピング法実演
前傾姿勢でテープの必要な長さを確認します。貼付も前傾姿勢で行います。

背中を丸め、背骨の際、外側約3センチに2本並べて貼付します。
テープは25ミリ幅、
元の長さのまま伸ばさず貼付します。

腰椎保護テーピング法
腰椎保護テープはやや前傾姿勢で貼付し、使用するテープは50ミリ幅です。

階段状に変形している真上にクロスの中心が来るように、元の長さの1.3〜1.5倍に伸ばして貼付します。

腰部・背部へのテーピング完了形
腰部・背部の完了形です。
写真上では、テープがピンと張っていますが、これは貼り付けた位置を解かりやすくするための、撮影上の都合です。
実際にはテープに緩みができ、しわが寄っているのが正しく貼れた状態となります。

大腿直筋へのテーピング法大腿直筋を緩め、骨盤の前方回旋を緩和させます。

立膝姿勢で、貼付側を後方に太ももの筋肉が伸びるように貼付します。可能ならば膝関節も深く曲げると理想的です。
テープは伸ばさず、元の長さのまま貼付します。


側腹部・大腿部へのテーピング完了形
側腹部・大腿部へのテーピング完了形です。

大腿直筋へのテープ貼付は、骨盤前方の出っ張り(上前腸骨棘)から膝のお皿の真上にかけてとなります。外腹斜筋テープの下端がその点にあたります。

正しいテーピングの完了形
とても重要なポイント

写真では衣服上からテープを張っているため、貼り付けたテープがピンッと張っている状態となっていますが、正しいテーピングの完了形は、貼り付けたテープそれぞれが緩み、しわが寄っているのが正しい貼り付けた状態です。


撮影の都合上、衣服の上からのテープ貼付であるためと御理解ください。
張りつめた状態でテープを貼付すると、筋肉の動きと体液の循環が阻害され、腰痛の症状を緩和する目的に適いません。

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腰痛のテーピング・まとめ

テーピングは全ての腰の痛みに有効というわけではなく、いくつかの限定された状態にのみ有効な方法であるとご理解ください。テーピングを含めたセルフケア法は軽度の腰痛に対して行う方法であり、どこへ行っても治らなかった重度の腰痛にはその原因に合わせた治療が必要です。

セルフケアでの対処は、治療による効果に+アルファをもたらす位のものであり、重度の腰痛をそれだけで治すのは困難であることをご理解ください。

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電車の場合

JR総武線・小岩駅より徒歩15分 
※各駅停車をご利用ください。快速線は停車しませんので、ご注意ください。


京成本線・京成小岩駅より徒歩3分 
※普通または、快速列車しか停車しません。

JR小岩駅 / 京成小岩駅からは、
鍼灸いちご治療院までのルート案内をご覧ください。

※駐車場はご用意しておりません。公共交通機関をご利用ください。

受付時間

鍼灸いちご治療院では完全予約制とさせて頂いております。
御予約の上、お越しください。

日曜日〜土曜日まで毎日施術しています。
 受付時間
午後1:00〜20:00

※特別な事情がある場合の時間外の受付は御相談ください。
※12月31日、1月1日を除き祝祭日も施術しております。

費用について

◎初見料  2000円
◎施術費  6000円

  • 初めてお越しの方は施術費用の他、初見料が必要になります。
  • 追加の費用は一切必要ありません。
  • 施術の費用につきましては現金のみでのお支払いになります。クレジットカードでの決済は出来ません。
※ただし、その方ご自身が特殊な鍼での施術を希望する場合のみ、特殊鍼の実費をご負担ください。こちらから無理にお勧めすることは一切ありませんのでご安心ください。

※施術中の写真で特殊鍼を使っているものもありますが、
原則的にはそれらの特殊鍼を使わず、追加の費用が発生しない形での対応としています
あなたをサポートします
鍼灸いちご治療院
東京都江戸川区北小岩6-35-19
03-5876-8989


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