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腰痛を治すために必要なこと

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


股関節が痛む原因

股関節の痛み

股関節画像なぜ股関節に痛みが起こるのか、原因、症状、治療について解説しています。

股関節の痛みは、股関節単独の問題の時もあれば、腰痛との関連で痛みが起きている事もあります。また、腫瘍や循環器に原因があることもあります。
このページでは、股関節に問題が起こる様々な原因の説明と、対処法のナビゲートしています。以下の項目で構成しています。
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症状発現エリアごとの考えられる原因

股関節周囲の痛みは、症状が起きている部位が漠然としていて、自分でもはっきり分かりにくいときもありますが、可能な限り疼痛部位を観察し、痛みが起きているエリアを絞っていく必要があります。

症状発現エリア

股関節の症状発現エリア症状のエリアを絞り込んでいく必要があるのは、症状が起きている部位次第で原因の推定が出来るためです。

股関節の痛む部位は、大きく3つのエリアに分けて考える必要があります。

@のエリアで考えられる原因

鼡径靭帯、縫工筋、内転筋に囲まれた@の部位を、解剖学的には大腿三角(scarpa三角)と呼びます。このエリアに痛みがあるときに考えられるのは、変形性股関節症、大腿骨頭壊死、関節リウマチ、発育性股関節脱臼、先天性股関節脱臼、鼡径ヘルニアなどです。また、内転筋付着部の裂離骨折が考えられます。

Aのエリアで考えられる原因

この部位を大転子呼びます。変形性股関節症、大腿骨頭壊死、関節リウマチではこのエリアにも痛みの症状が現れます。他には大転子滑液包炎などが考えられます。

Bのエリアで考えられる原因

骨盤を前方から触れた時、ポコッとした骨に触れることが出来ます。この部位を上前腸骨棘と呼び、縫工筋、大腿筋膜張筋と呼ばれる筋肉が付着しています。筋肉付着部にはストレスが掛りやすく、オーバーユースでの疲労骨折などが起こることがあります。
股関節に痛みが起きるのは上記までに挙げただけでなく、腫瘍や動脈などの脈管系に問題があっても痛みの症状が現れます。

あなたに起きてる症状が上記のエリアにはなく、臀部の股関節付近でしたら
臀部の痛みのページをご覧ください。
股関節に継続的な痛みや違和感がある場合、まずMRIやCTといった画像診断を受けることをお勧めします。股関節に痛みがある場合には重篤な問題が潜んでいることが少なくありません。

身体の他の部位でも言えることではあるのですが、その中でも特に股関節の問題は、安易な自己判断が治療時期を逸してしまいかねません。

画像検査を受ける理由と、疾患ごとの特徴

この項目では、なぜ安易な自己判断が危険なのか、漫然とマッサージなどを受け続けるべきではないのか、MRIやCTといった画像検査を受けるべきなのか、その理由を解説します。

画像診断装置について

MRI画像診断装置股関節の障害は、MRIやCTといった画像診断装置で問題部位を発見しやすい特徴があります。
また、徒手検査では発見できない問題が潜んでいることがあるため、股関節障害では画像検査が必須です。

MRIは骨だけでなく、周囲の軟部組織までを写し込むため優位性が高い診断装置です。また、股関節疾患では通常タイプのCTよりも、ヘリカルCTによる描出が優れています。

ヘリカルCTは撮影装置が螺旋状に駆動するため、切れ目のない撮影が可能で、見落としが起きる可能性が極めて低くなります。
ここから先の項目で、いくつかの疾患を例に挙げて原因別の特徴を解説します。以下で解説する疾患は発症頻度は高いものではありませんが、画像診断装置でなければ発見できない疾患です。

また、ピックアップした疾患のいくつかは、基礎的な因子に衝撃などの外力が加わることによって発症することもあり、捻挫として誤って対処してしまうこともある疾患です。

循環器が原因になる場合

骨盤付近の脈管イメージ股関節の障害で画像診断を受けるべき理由の1つに、循環器の問題があります。

図は骨盤周囲の動脈の模式図です。稀ではありますが、このような脈管系の問題が股関節の痛みの原因になっていることがあります。


循環器の問題で痛みが起きている場合には、徒手検査で原因を探ることは全くできません。


股関節周囲で問題になる脈管は内腸骨動脈になります。内腸骨動脈は骨盤の内側に走行し、閉鎖動脈、上臀動脈、下臀動脈に分岐します。これらの動脈は股関節周囲を栄養しています。

内腸骨動脈の閉塞や動脈瘤が、症状発現エリアの項目で解説した、鼡径部の大腿三角に痛みを起こしている原因になっていることがあります。

また、外腸骨動脈から分岐する血管が股関節そのものを栄養しているため、動脈硬化などによって閉塞すると、股関節の痛みの原因になりますし、最悪の場合大腿骨頭壊死を引き起こします。

このように循環器の障害でも股関節の痛みが起きるのですが、循環器の問題は見落とされることがあり、セカンドオピニオン、サードオピニオンを受ける場合には、その旨伝えることが必要です。

大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死イメージ突発性大腿骨頭壊死症は、血液の循環不全によって骨の細胞が
壊死していく疾患です。

初期に骨が壊死した状態までは症状はありませんが、病態が進行し骨が崩れだすと強い痛みに襲われます。

太腿の骨の付け根の部分の循環不全が原因と考えられていますが、根本的な発症原因は突き止められていません。


ステロイド剤の長期使用や、アルコールを常習的に飲む習慣があると発症確立が高くなるため、因果関係が示唆されています。

1週間当たりのアルコール摂取量が400mlを超える生活を続けていた場合、そうでない人に比べ大腿骨頭壊死発症のリスクは10倍になるとされています。

1週間当たりアルコール摂取量400mlとは、目安として以下のようになります。
  • ビール500ml(中瓶)×14本
  • 日本酒14〜15合
  • 焼酎8〜9合
腿骨頭壊死の原因としてステロイド剤によるもの50%、アルコール常飲によるもの35%とされます。

症状

症状は急激な痛みで始まります。大腿骨頭壊死症は初期には無症状で、患者さん自身は発症に気づきません。スポーツ中や重い物を持ち上げた時に病態が進行していると、大腿骨頭が破壊され痛みが起きます。

捻挫などと誤って診断されることが少なくなく、注意が必要です。

治療

大腿骨頭壊死の治療は、保存療法と手術療法に大別されます。

保存療法では装具などによって骨頭にかかる負荷を軽減したり、骨が破壊することを防いだり、疼痛管理を薬剤によって行います。運動療法やリハビリテーションは積極的には行われません。

手術療法は関節温存術と人口関節置換術に大別されます。大腿骨頭壊死は比較的若年でも発症するため、可能な限り関節を温存する方法が選択される傾向にあります。

この疾患は厚生労働省が定める特定疾患に含まれ、難治性の疾患です。早期発見早期治療が予後を大きく左右します。

子供の股関節の痛み

子供に起こる股関節の痛みにはぺルテス病(Perthes)、化膿性股関節炎、成長痛など、幾つかの疾患がありますが、この項目では誤って捻挫と判断されてしまうこともある大腿骨頭すべり症について解説します。

大腿骨頭すべり症イメージ大腿骨頭すべり症は12〜13歳前後の男児に発症しやすい疾患です。

太腿の骨の付け根の強度が低下したことにより、癒合しきっていない骨頭の部分がずれてしまう事で痛みが起こります。

骨頭の部分の脆弱性を基礎的に持っている子供に発症しますが、発症まではそれに気づかず、転倒やスポーツ中のクロスプレーなどをきっかけに激しい痛みを起こすため、捻挫と判断され治療を遅らせることもあります。

大腿骨頭すべり症は画像検査でなければ発見が困難であるため、誤診率が高い疾患とされています。

特徴

肥満傾向にある12〜13歳の男児に多く発症し、初潮以降の女児には発症しないことから何らかのホルモンの異常で発症すると考えられています。

症状は股関節に荷重が掛ると痛みが起こる他に、太腿を後方に伸ばすようにすると痛みが誘発されますが、外傷による股関節疾患でもみられる症状であるため、判断を難しくします。

治療

治療は基本的に手術での対応となります。過去には保存療法で対応していた時代もありましたが、この疾患は進行性であるため、出来るだけ早期に金属製のボルトや治具での固定を必要とします。

発見され次第、早期の手術が必要です。治療時期を逸すると大腿骨頭壊死などを合併し、より難治度が高い状態に転化してしまう可能性があります。
ここまでに3つの疾患について具体的な解説をしました。股関節に痛みを起こす疾患は、取り上げた他にも骨肉腫などなど多数存在します。それら股関節に痛みを起こす疾患群は、多くの場合MRIやCTといった画像診断装置で発見できます。

解説した3つの疾患は、画像診断装置でなければ発見が困難な疾患です。これらの解説によって、股関節に継続的な痛みがあるときには、安易な自己判断が危険であることはご理解頂けたかと思います。

股関節に強い痛みがあるようでしたら、ファーストチョイスすべきはマッサージなどの保存療法ではなく、整形外科の画像診断です。

変形性股関節症

股関節に痛みを起こす代表的疾患に変形性股関節症が挙げられます。女性に多く発症し、40〜50代に最も多く発症します。

変形性股関節症とは

変形性股関節症とは、長期間に渡る股関節への偏った負荷によって、関節軟骨が摩耗したり骨そのものが変形する病気です。
  • 股関節の狭小化(大腿骨と臼蓋の間が狭くなる)
  • 骨棘の形成(関節に棘状の変形が出来る状態)
  • 骨嚢胞の形成(部分的に骨が融解した状態)
  • 関節の変形(上記3つが複合して進行性に変形していく)
関節に以上のような事が起こることで、歩行や体動時に体重が掛る事で痛みが起こったり、関節可動域の低下や動かしにくさが起こります。また、姿勢が崩れることで腰痛や頚肩の痛みも同時に起こりやすくなります。

全人口の1〜3%、150〜400万人程の方に何らかの股関節の変形が起きていると推定されています。
日本人では、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全を基礎疾患とする二次的な変形性股関節症が多い特徴があります。先天性股関節脱臼は殆どの場合、乳幼児期に発見されるため本人もそのことを自覚し、多くの場合には整形外科で継続的なケアを受けています。

臼蓋形成不全は程度の軽い状態では成人後に発見されたり、股関節に痛みが起きて画像検査を受けるまで本人は無自覚であることもあります。

臼蓋形成不全について

骨盤の臼蓋臼蓋とは、大腿骨の骨頭の部分を受け止める言わば受け皿のようなものです。

臼蓋は腸骨、恥骨、坐骨が14〜16歳頃までに癒合し、一つの骨となり股関節が形成されます。この臼蓋の深さが浅い状態を臼蓋形成不全と呼びます。
臼蓋形成不全イメージあなたが40〜50代の女性で、現在に至るまでに股関節の深部に時々鈍痛を感じているようでしたら、臼蓋形成不全を基礎疾患とした変形性股関節症の可能性を否定できません。
臼蓋形成不全や変形性股関節症は画像検査で明確に発見できます。徒手検査では確定的な判断はできませんが、『臼蓋形成不全があるのではないか?』と推定する簡便な方法を紹介します。
骨盤のイメージ骨盤前方の左右に、体表から触れられる骨が確認できるかと思いますが、この部位を上前腸骨棘と呼びます。成人女性では、この左右の上前腸骨棘の間が20センチを下回る場合、骨盤が十分形成されないまま成人したと推定され、臼蓋も形成不全である可能性があります。
臼蓋形成不全であると必ず変形性股関節症になるという訳ではありませんが、基礎的な要因になりやすい状態です。

変形性股関節症の治療

手術する医師変形性股関節症は前期、初期、進行期、末期というように状態が変化していきます。

治療は進行度によって変わり、手術療法と保存療法に大別されます。

手術について

手術は関節を温存する術式と関節を温存しない術式に分けられ、患者さんの年齢が若かったり、進行度に余裕がある場合には関節を温存する術式が選択される傾向があります。末期の状態になると関節を温存するのは難しく、関節を温存しない術式が取られます。
骨切り術の模式図

関節を温存する術式

関節を温存する術式では、寛骨臼回転骨切り術、骨盤骨切り術、寛骨臼移動術、大腿骨頭骨切り術などの方法があります。



どの術式においても基本的には症状が軽度から中程度までで可能となる術式で、末期状態では関節を温存するのは困難です。
関節を温存する術式を採用した場合には、人工関節置換術と比較し入院期間が長くなり、およそ6〜8週間程の入院期間となります。


以前は人工関節の寿命が現在ほどなかったため、比較的若い患者さんには関節温存術が採用される傾向にありましたが、人工関節の長寿命化が可能になった現代では関節を温存する術式は積極的には採用されなくなっています。

関節を温存する術式で手術した患者さんのおよそ30%が、10〜15年を経ずして変形性股関節症が進行してしまい、再手術を余儀なくされてしまうためです。
人工股関節イラスト

関節を温存しない術式

関節を温存しない術式は、人工関節置換術と股関節固定術に分けられます。
関節を温存しない術式では、多くの場合に人工関節置換術が行われ、股関節固定術が採用されることは少なくなっています。
股関節固定術は、股関節が感染症などでダメージを受けており、人工関節置換術を行えない場合などに行われますが、関節を金属のインプラントで完全に固定してしまうため、術後は日常生活において様々な制約が生じます。

人工関節は近年性能が目覚ましく向上しており、30年以上の耐用年数を持つ物も登場しています。関節を温存する骨切り術などに比べて入院期間が短く、術後の経過次第で約2〜3週で退院することも可能です。

しかし、人口関節が想定していた耐用年数の半分程度の期間しかもたなかったり、骨に埋め込んでいるインプラントが緩んでしまったりして、術後数年で再手術が必要になるケースもあります。
手術はどの術式を採用しても相当期間の入院が必要です。

術後は左右の脚の長さが変化してしまう事が少なくはなく、そのことによってアライメント(姿勢)が崩れ、長期間に渡る腰痛を抱えんでしまうケースがみられます。

また、手術したとしても望みどおり痛みがなくなるとは限らず、手術前よりも状態が悪くなってしまう事もあります。いずれにしても股関節手術は大きな手術となりますから、早計に決断せずに十分検討する必要があります。

保存療法について

変形性股関節症の治療では、まず保存療法で対応されます。
薬の写真保存療法は幅広く、どの治療法が優れているとは言い切れず鎮痛剤の服用、マッサージ、鍼治療、理学療法など様々な選択肢から、自分に合った治療法を選択することになります。
股関節には歩行時などに、体重の3〜4倍の負荷が掛っています。疼痛を軽減させるためには、体重を減らす必要もありますし、杖を使用する、長距離歩行を避けるということも、広い意味で保存療法の一面であると言えるでしょう。

また、積極的に股関節周辺や腰を含めた体幹部の筋力を強化する必要もあります。一般的には、水の浮力で股関節への負荷が軽減する水中での筋力訓練が推奨されています。
変形性股関節症は人種間で差があり、日本では先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全を基礎疾患とした変形性股関節症が多くの割合を占めています。そのため年を経るごとに病態が進行し、症状は悪化していきます。

手術にしろ保存療法にしろ、一生という長いレンジで考えた治療プランを計画する必要があります。

とても大切なこと

変形性股関節症は多くの場合、時間の経過に伴い状態が悪化していきます。先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全を基礎疾患とした2次性の変形性股関節症では、最終的には人工股関節置換術を選択せざるを得ないことが高確率で発生します。

手術を受けると、多くの場合には手術前の疼痛は大きく軽減します。しかし、だからと言って、勧められるままに安易に手術の決断をしてしまうのは考えものです。手術にはリスクが付きものだからです。

股関節手術のリスク

  • 死亡事故
  • 耐用年数
  • 細菌感染
  • 人工股関節の脱臼
  • 関節拘縮
  • 術後の下肢の浮腫み、冷え
  • 脚長差によるアライメントの崩れ
  • 痛みが軽減しなかった。または、以前とは別の痛みが起きるようになった

死亡事故

股関節手術においては、術中〜90日以内に手術したことが原因で0.3〜0.5%の割合で死亡することがあります。1000人中3〜5人が死亡しています。

耐用年数

近年では人工関節の耐用年数も向上していますが、それでも想定された耐用年数よりもはるかに短い期間で再手術が必要になるケースがあります。
10年以内に再手術が必要になるケースが10人に1人
20年以内に再手術が必要になるケースが10人に2〜3人

細菌感染

特に人工関節置換術では細菌感染が問題になります。人工物ですから免疫力は0です。1000人中3〜5人に発生します。股関節に広範な感染が起きた場合、再手術が必要になります。

術後の生活にも注意が必要で、虫歯、歯周病、膀胱炎、体表の傷口などから細菌が感染し、血行性に股関節に細菌が到達することなどが原因です。

人工股関節の脱臼

人工股関節の脱臼は他のリスクに比べると、影響は小さいかもしれませんが、およそ100人中3〜4人ほどの発生頻度と言われています。人工物に感覚はなく、持って生まれた股関節よりも脱臼しやすい状態になります。

関節の拘縮

術後に的確で十分なリハビリを受けられないと、筋肉、筋膜、靭帯といった股関節を取り巻く環境の柔軟性が失われ、関節が固まってしまい十分機能しなくなることがあります。

術後の下肢の浮腫みや冷え

股関節手術では股関節周辺を大きく切開しますから、術後に血液やリンパなどの循環不全が起きやすくなり、下肢のむくみに悩まされたり、脚の冷えで眠れないなどの弊害が起きることがあります。

脚長差によるアライメントの崩れ

術後0.5〜1.5センチ程、左右の脚の長さの違いが起きることがあります。そのような場合、インソールなどで調節することになりますが、多くの場合にはパーフェクトなマッチングは期待できません。

その脚長差を原因として身体のアライメント(姿勢)が崩れ、腰痛や頚肩の痛みが起きることがあります。

痛みが軽減しなかった。以前とは別の痛みが起きるようになった。

前述した【脚長差によるアライメントの崩れ】が原因となる様々な身体の痛みとは別に、『手術を受けても痛みが軽減しなかった。』または、『以前とは質が違う別の痛みが起きるようになった。』という方が時折いらっしゃいます。

手術は、形態が上手く治まり、重篤な感染症や合併症が起きなければ一先ず成功とみなされると思いますが、そのような成功とみなされる症例においても痛みが残存してしまったり、別の痛みが出現する事があります。

何故そのようなことが言えるのかというと、人工股関節置換術、骨切り術後数年たっても疼痛が残存したり、別の痛みが起きるようになったという患者さんが、時おり私の治療院を訪れるためです。

このような事がどれほどの頻度で起こるのかは、正確な統計資料が見当たりません。しかし、一定数存在するというのが保存療法の現場で治療している者の実感です。

これらの術後も残存してしまう疼痛や質が変化した痛みは、術中に誤って神経を傷つけてしまったり、そもそもの痛みが股関節由来ではなく腰に原因があった、などが推定されます。

股関節の痛みに対する保存的アプローチ法

この項目では、私が行っている変形性股関節症や原因不明の股関節痛へのアプローチ法を解説します。

最良の選択をするために

日本における変形性股関節症の多くは、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全を基礎疾患とする二次的な疾患です。

当面の期間保存療法で状態を維持していても、これらが基礎的な因子となっていると、その程度にもよりますが手術を受け入る必要に迫られる事もあります。
カレンダーの写真ここで大切なことは、手術を受けるまでの期間をどれだけ引き延ばすことが出来るかにあります。

また、手術を回避することが可能ならば、そのための方策を探ることです。
前項でも解説しましたが、股関節手術を受けた場合、多くのケースでは疼痛が大きく改善されます。しかし、いずれの術式を用いても無視できないリスクもあります。また、稀には痛みが改善しないケースや手術前よりも症状が悪化してしまうケースもあります。
悩んでいる人の写真あなたに相当程度の股関節の痛みがあり手術の決断を迫られていても、最良の選択をするためには早急な決断は避けた方が良いということです

そこに保存療法の意義があると私は考えています。
現在の状態よりも痛みを軽減させ、手術を受けるまでの期間を2年でも3年でも引き延ばすことが可能ならば、その間に股関節手術について十分に調べる時間が確保できます。そして決断に至るまでに十分な熟慮を重ねることが出来ます。

また、最終末期に至っていない初期や中程度の状態でしたら、手術を回避することも可能ですから、その方策を探すためにも。
パソコンで調べている女性の写真現在のような情報社会では、医療関係者でなくても股関節手術について信頼度の高い情報を、数多く集めることが可能となっています。

また、股関節専門医の情報を調べることも可能です。
整形外科領域において、股関節のみを専門に執刀している医師は決して多くはありません。しかし、保存療法で時間の引き延ばしを図ることが出来れば、全国に存在する股関節専門医にセカンドオピニオン、サードオピニオンを求めることが出来ます。
手術中の様子股関節手術は大変大きな手術です。その結果如何によっては、あなたの術後の人生が大きく変わってしまう可能性があります。
それほど大きな決断を迫られる出来事ですから、あなたが納得いくまで情報を収集し、お住まいの地域から数百キロ離れた地域で執刀している医師であっても、必要ならば診察を受けるべきかと思います。
熟慮している女性今あなたが変形性股関節症に苦しみ悩んでいるのでしたら、あなたに必要なのは出来るだけ多くの情報を収集し、熟慮を重ねる時間を確保することではないでしょうか?
私は保存療法の立場にいる人間です。保存療法では最終末期の状態にある変形性股関節症を治すことは困難です。人工股関節置換術を行うことも出来ません。
八幡太郎(はちまん たろう)私に出来ることは、あなたが最良の選択をする為の時間を作り出すお手伝いをすること、手術回避可能な段階にあるならば、その状態を維持改善することだと考えています。

鍼灸いちご治療院
八幡太郎 (はちまん たろう)

発症の背景

変形性股関節症の保存的治療では、大きく2つの方向性で考える必要があります。

変形性股関節症は、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全が原因になっているタイプ(以下、二次的変形性股関節症)と、先天的な問題はないけれど加齢や生活習慣が原因になっているタイプの2つに分けることが出来ます。

同じように股関節に変形をきたす疾患であっても、タイプ別に発症の背景が異なるためアプローチ法やトレーニングメニューが違ってきます。

タイプ別の比較

加齢によって生じた変形性股関節症と二次的変形性股関節症では発症の背景が異なります。

加齢による変形性股関節症では、腰椎の弯曲が浅くなることに起因した骨盤の起き上がりが根底に存在します。
年配者の姿勢加齢により背筋力が低下し太腿裏面の筋肉群が短縮すると、腰椎の生理的弯曲が保てなくなり、腰の弯曲が浅い平板化が起こります。

そして結果として骨盤が起き上がります。
骨盤が起き上がる様子骨盤が起き上がると、太腿の骨の付け根である大腿骨頭を受け止める臼蓋も回旋します。本来納まりが良い生理的な良肢位から外れてしまい、股関節には過剰な負担が掛ってしまいます。この一連の流れが加齢による変形性股関節症の背景となっています。
反対に二次的変形性股関節症の方では、臼蓋形成不全を背景として腰椎の前方への弯曲が大きい腰椎前弯姿勢になる傾向があります。
腰椎前弯姿勢腰椎の前方への弯曲が強くなると、骨盤は前方に回旋します。この状態でも臼蓋と大腿骨頭がニュートラルゾーンから外れるため、股関節やそれを支える周囲の靭帯や筋肉に過剰な負担が掛ります。
骨盤が前方回旋している様子二次的変形性股関節症の方は、背筋群や大腿前面の筋肉群が過緊張の状態にあり、骨盤を前方に回旋させています。

この骨盤を前方回旋させていることが痛みを拡大させる要因になっています。
加齢による変形性股関節症と二次的変形性股関節症では、同じように股関節に変形をもたらしますが、股関節に負荷が掛る背景と負担が掛る部位が違うため、それぞれに合わせた治療プランとトレーニングメニューが必要になります。

ここまでに解説したように、臀部を含む股関節周辺と腰部とは運動連鎖する関係にあります。腰の機能不全が股関節や臀部に影響し痛みなどの症状を起こす状態をヒップ・スパイン・シンドロームと呼びます。

私が行う変形性股関節症の保存療法では、この運動連鎖上の問題に着目して治療を行っています。

実際の治療例

この項目では、私が行っている鍼治療での保存的アプローチについて解説しています。

治療は2つの方向性で行うことになります。臼蓋形成不全などに続発する二次的な変形性股関節症と、加齢による変形性股関節症では治療部位に違いがあります。

二次的な変形性股関節症の鍼治療

背筋群への鍼治療二次的変形性股関節症では、背筋群が過緊張の状態にあり、そのため骨盤が回旋し股関節の後方要素に過負荷が掛っています。まず腰部の緊張感を低下させ、骨盤をニュートラルゾーンに導く必要があります。
股関節周囲への鍼治療次に患部である股関節に鍼を刺入します。患部では小臀筋、中臀筋、梨状筋、大腿筋膜張筋といった筋肉群に視点を向ける必要があります。これらの筋肉群が過緊張を起こし機能低下することで、痛みを拡大させているためです。
大腿外側と前方への鍼治療そして、大腿側面と大腿前面にもアプローチします。大腿前面の筋肉群も前方回旋させる原因になっています。また二次的変形性股関節症では、大腿前面の筋肉にも過緊張による痛みが起きているケースが少なくありません。

加齢による変形性股関節症の鍼治療

大腿後面への鍼治療加齢による変形性股関節症では、骨盤の起き上がりが問題になります。骨盤が起き上がったことで、股関節の前方要素に過負荷が掛っているためです。そのため、骨盤を後方に引っ張っている大腿前面の筋肉群の緊張度を低下させる必要があります。
加齢による股関節痛への鍼治療そして、患部の股関節周囲に刺鍼します。こちらは二次的変形性股関節症同様に小臀筋、中臀筋、梨状筋、大腿筋膜張筋が重要になりますが、大臀筋も骨盤を後方に引き起こす要素であるため、こちらにも刺鍼します。
基本的な方向性は上記のようになりますが、アライメント(姿勢)の崩れが個々人で異なるため、股関節に対する負荷の掛り方にも個人差があります。
実際の治療では、この個人差を考慮しさらに修正することになります。

私は他に類を見ないほど、数多くの鍼を使った治療をしています。長引いてこじれた状態にはインナーマッスルにまで届かせる【しっかり効かせる治療】が必要だと考えています。

運動療法について

姿勢の比較【発症の背景】の項目で解説しましたが、変形性股関節症は加齢によるものと二次的変形性股関節症では、発症の素地となっている姿勢に大きな違いがあります。この姿勢の違いが股関節に対する負担の違いとなって現れます。
このように姿勢に違いが現れるのは、過緊張を起こしている筋肉と機能低下している筋肉が双方で異なるためです。

過緊張を起こしている筋肉は、鍼治療を行うことで緊張度を低下させることが出来ます。しかし、機能低下した筋肉は鍼治療を行っても筋力が回復することはありません。

機能低下した筋力を回復させるのは、患者さん自身による運動療法への取り組みしかありません。変形性股関節症の症状を維持または回復させるためには、運動療法に取り組むことが他のどの疾患よりも重要な条件になります。

受動的に治療を受けているだけでは回復は困難であり、治療に加え能動的・積極的に運動療法に取り組む事が絶対的に必要です。
運動療法の効果例えば、治療を受けることによる効果を【3】とし、運動療法による効果を【3】とすると、双方を並行して取り組むとその効果は足し算ではなく掛け算となり、3×3=9というような相乗効果が生まれます。
各種の運動プログラム・メニュー加齢や生活習慣による変形性股関節症と二次的変形性股関節症では、機能低下している筋肉が異なります。

いちご治療院では、個々のタイプに合わせた運動プログラムを作成し患者さんに実践をお願いしています。

原因不明の股関節の痛み

ページトップからこの項目に至るまでに、変形性股関節症を中心に股関節に痛みを起こすいくつかの疾患などを解説してきました。

股関節に痛みが起きている場合にはMRI、CT,単純X線検査などの画像検査まず第一に必要なことです。

しかし、画像検査だけでなく、血液検査他あらゆる角度から検査したにも関わらず、痛みの原因が発見できないことがあります。

そのような場合には、腰や臀部、股関節周辺の筋肉、筋膜、靭帯といった軟部組織が機能不全が原因になっている事があります。軟部組織の機能不全は画像検査や血液検査では異常を捉えることが出来ません。

あなたの股関節の痛みが、いくつもの病院であらゆる角度から検査したにも関わらず、原因が発見できていないようでしたら、筋肉や筋膜、靭帯などの軟部組織の機能不全が原因かもしれません。
骨盤の神経病院での検査で原因が発見できていない場合、考えられるのは腰や臀部の筋肉が神経走行上のどこかで過緊張を起こし、神経を刺激してしまっていることが考えられます。

股関節周囲には腰から分岐した、陰部神経坐骨神経、陰部大腿神経などが走行しています。
神経分布イメージこれらの神経が走行ルート上で筋肉などからの摩擦を受けると、股関節に痛みを起こす原因になることがあります。

神経の走行中ではなく根元の部分で障害を受けると、その神経の支配領域に痛みや痺れなどの症状が現れます。
腰、臀部、股関節は一体不可分の存在であり、相互に関連しています。腰の問題が臀部や股関節に波及してしまう状態をヒップ・スパイン・シンドロームと呼び、原因不明の股関節の痛みはこの状態であるケースが少なくありません。

臀部の痛み
のページで腰と臀部が連鎖するメカニズムを解説しています。ダイレクトに股関節の解説をしている訳ではありませんが、類推解釈の参考になるかと思います。

また、あなたがお困りの症状が股関節の痛みだけではなく、臀部痛や腰痛といった症状もあるようでしたら
腰痛症状から調べるのページをご覧ください。原因を探す一助になるかもしれません。

股関節の痛み / 結び

股関節に痛みを起こす疾患は変形性股関節症が代表的ですが、他にも大腿骨頭壊死、大腿骨頭すべり症、関節性リウマチ、化膿性関節炎などいくつもの原因が考えられます。

また、発症頻度は高いものではありませんが、循環器が原因で股関節に痛みが起きている事もあります。これらの疾患の多くは画像診断装置などでの検査で発見可能な疾患です。

股関節に症状が現れているときには、重篤な疾患が隠れていることもあります。股関節に問題が起きているときにファーストチョイスすべきは保存療法ではなく、まず整形外科で画像診断を受けることをお勧めします。
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