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鍼灸いちご治療院 鍼灸師・八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19

腰痛を改善させるための体幹トレーニング

腰痛持ちのための体幹トレーニング法【鍼灸師監修】

フォームパッドを使用している女性腰の痛みはつらいものです。しかし、慢性化した腰痛の症状を、直ちに無くしてしまうことは非常に困難なことです。

腰を良好に保つためには、あなた自身が意識改革し、自ら積極的に体幹力獲得に取り組む必要があります。
動きに伴う腰の痛みの症状を改善するためには、神経システムと体幹部の筋肉の有機的なつながりを密にし、機能性を向上させる必要があります。それにはフォームパッドを使用した体幹トレーニングが効果的です。

腰痛改善に、なぜ体幹力が必要なのか? なぜフォームパッドを使用すると効果的なのか?このページではフォームパッドを使った具体的なトレーニング法の解説をしています。

目次

  • 腰痛を改善させるために必要なこと
    • 体幹を支持しているシステム
    • コア・スタビリティとは
    • ローカル筋・グローバル筋とは
    • 神経システムとは
    • どうすれば、腰の機能を取り戻せるのか
  • フォームパッドを使用した7つのトレーニング法
    • 実践前の注意点
    • Training on foam pad
    • トランク・サイド・フレクサーズ・ストレッチ
    • フォワード・リーン
    • タンデム・スタンス
    • シングル・レッグ・スタンス
    • セルフ・モニタード・ヒップ・ヒンジ
    • バック・ハンド
    • ランニング・マン
特別な器具などを使用しない、自重でのトレーニング法を解説したページも設けています。

腰痛の筋トレのページで、腰痛を改善するための体幹筋力アップのポイントを解説しています。
トレーニングしている女性あなたが【 今 】ご覧になっているページで紹介しているのは、腰の【機能】を向上させるための体幹トレーニング法です。

筋肉を肥大させるためのトレーニングとは、別物であるとご理解ください。
鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

腰痛を改善するために必要なこと

筋肉質な男性体幹部は、胸椎と肋骨に支えられている胸部、肋骨のような骨性基盤が存在しない腰部に分けられます。

腰に骨性基盤が無いことが、腰痛を引き起こす原因になっていて、体幹力が必要な理由でもあります。
体幹を安定させているのは【 コア・スタビリティ 】、【 ローカル筋・グローバル筋 】、【 神経システム 】、【 後部靭帯 】、【 胸腰筋膜 】などです。骨性基盤が存在しない腰の安定性は、これらが協調して機能することに依存しています。

このうち、自分で改善を図れるのは【 コア・スタビリティ 】、【 ローカル筋・グローバル筋 】、【 神経システム 】の3つになります。

コア・スタビリティとは

腰を支えている要素の1つに、コア・スタビリティと呼ばれる擬似的な風船を腹部にもたせるシステムが存在します。

コア・スタビリティを作り出す要素

腹腔内圧の模式図コア・スタビリティに関わるのは、ローカル筋である@腹横筋、A多裂筋が代表的な筋肉です。

さらにそれを補強しているのがグローバル筋であるB脊柱起立筋、C腹直筋です。

そして上下から腹腔に圧力をかけるD横隔膜、E骨盤底筋が体幹部を支えています。

これらの筋肉群が協調して働くことでコア・スタビリティを形成し、腰を安定的に保っています。
コア・スタビリティが機能している状態は、腹腔に張りつめた風船を入れているようなものです。張りつめた風船は容易には潰れません。天然のコルセットを身に着けているようなものです。十分なコア・スタビリティを確保できれば、腰にかかる負荷が軽減されます。
体幹部の安定性はコア・スタビリティが担っているだけでなく、それぞれが腰椎を個別に支えています。それがローカル筋とグローバル筋による体幹の安定性になります。

ローカル筋・グローバル筋とは

ローカル筋とグローバル筋の模式図ローカル筋はインナーマッスルで、背骨を小さな分節で安定させています。背骨1つ1つを小さなエリアで支えています。

多裂筋(たれつきん)、腹横筋(ふくおうきん)がローカル筋では代表的なものになります。
反対に、グローバル筋はいわゆるアウターマッスルと呼ばれる筋肉です。背骨全体を動かす機能を持っていて、背骨を大きなエリアで支持しています。グローバル筋の代表が脊柱起立筋です。

ローカル筋とグローバル筋では構造上の違いから機能が異なります。
腰の筋肉解剖図我々が中腰姿勢から体を起こす動作を行うとき、脊柱起立筋の働きが80%を占めています。

反対に、多裂筋は第5腰椎付近では脊柱起立筋に匹敵するほどの太さを持ちますが、体を起こす動作では20%程の力しか発揮していません。。
多裂筋は背骨を安定させる機能に特化した筋肉です。そのため、体を動かす時には補助的な働きに止まり、静止した立位などでも常時30〜40%程度は筋活動がみられます。
上記までに挙げた【ローカル筋】や【グローバル筋】の機能低下は腰痛の原因となりますが、また別の要素が機能低下しても腰痛の原因となります。

それが、身体を支える基礎的な要素の1つ、神経システムです。

神経システムとは

神経システムのイラスト人の体は精緻なシステムで、立位や歩行を可能にしています。

底面がわずか20数センチしかない状態でも倒れることなく立っていられたり、電車の揺れや歩行に合わせて姿勢を維持することが可能なのは、神経システムが機能しているためです。
神経系は、センサーから得られた重力や遠心力、体の傾きなどの情報を瞬時に処理し筋骨格系にフィードバックします。情報の入力を得た筋系は、筋肉を微細に収縮または弛緩させて身体の平衡を保っています。

あなたが歩行中に腰や背中に痛みが起きる、立位や座位といった同一姿勢の継続で腰が痛むようでしたら、その痛みの原因の1つは神経システムと筋肉系の連携が十分機能していない事にあるかもしれません。

情報の入力と出力の関係での機能不全は、腰痛を起こしやすい素地になります。
姿勢が崩れ腰に痛みが起こっているのは、身体の骨格を支える筋肉系の不均衡にあります。その不均衡を招いているのは、脊柱支持筋群や神経システムの機能不全が根本に存在します。

結果として大黒柱である脊椎を支えきれず、腰痛の原因の1つとなっています。 正常な脊柱起立筋と神経システム概念図機能異常の身体イメージ

どうすれば、腰の機能を取り戻せるのか?

【コア・スタビリティ】、【ローカル筋・グローバル筋】、【神経システム】これら体幹部を支える3つの要素を十分機能させることが腰痛を改善することに繋がりますが、ではどうすれば良いのか。

ここに、フォームパッドを使用して体幹トレーニングする意味があります。

フォームパッドを使用して意図的に不安定性を作り出すことで、通常の自重を利用した体幹トレーニングでは補いきれない【神経システム】の機能向上が図れます。

フォームパッドを使用した7つの体幹トレーニングの方法を次の項目で解説します。

フォームパッドを使用した7つの体幹トレーニング法

フォームパッドを使用すれば意図的に不安定な状態を作り出すことができ、効率的な体幹トレーニングが行えます。

この項目では、腰の状態を改善するために効果的な、7つの体幹トレーニング法を紹介します。実践にあたっては、下記の注意点を理解した上で行ってください。

実践前の注意点

  • 強い痛みがある急性期には行わないでください。
  • 医師から確定診断を受けている方は、医師に相談の上行ってください。
  • 私は、あなたの腰の状態を把握していません。実践にあたっては自己責任で行ってください。

トランク・サイド・フレクサーズ・ストレッチ

トランク・サイド・フレクサーズ・ストレッチのスターティングポジショントランク・サイド・フレクサーズ・ストレッチのアクション

スターティング ポジション

  • 両脚をフォームパッドに乗せ、肩幅に開きます。
  • 両手を頭の後ろに回します。

アクション

  • 腹部の筋肉に力を入れ、体幹を横に傾けます。
  • 傾ける反対側の肘を、出来るだけ高く上げるように意識します。
  • この状態を30秒維持します。
  • 左右5回ほど行います。

注意点

  • 骨盤を左右に動かさないようにします。
  • 膝はまっすぐ伸ばしたまま行います。
  • 背中をしっかり伸ばした状態を維持します。
トランク・サイド・フレクサーズ・ストレッチのNG

NG

体幹部を横に傾けるとき、腰を速報につき出してしまうのはNGです。

フォワード・リーン

フォワード・リーンのスターティングポジションフォワード・リーンのアクション

スターティング ポジション

  • 両脚をフォームパッドに乗せ、肩幅ほどに開きます。
  • つま先が開かないように、足を並行にしてください。

アクション

  • 身体をゆっくり前方に傾けていきます。
  • 重心を踵からつま先に移動します。
  • 10回ほど行います。

注意点

  • 頭、体幹部、脚が真っすぐになるようにしてください。
  • 膝が曲がっていないか注意してください。
  • 倒れそうになるところまで、傾けていきます。
  • フォームパッドから足が離れないようにします。
フォワード・リーンのNG

NG

腰を後ろに突き出し気味になったり、腰の部分から折れ曲がったりするのはNGです。

タンデム・スタンス

タンデムスタンスのスターティングポジションタンデムスタンスのNG

スターティング ポジション&アクション

  • フォームパッドを縦に配置し、両足を乗せます。
  • この状態で30秒維持します。
  • 足を前後入れ替え、左右5回ずつ行います。

注意点

  • 両腕は体幹部にピタリとつけてください。
  • 頭から足までが真っすぐになっていることに注意を向けてください。
  • 膝が曲がらないようにしてください。
  • 慣れてきたら、目を閉じた状態で同様に行います。

NG

腕を左右に広げてバランスをとろうとしたり、左右に体幹部が曲がった状態はNGです。

シングル・レッグ・スタンス

シングル・レッグ・スタンスのスターティングポジションシングル・レッグ・スタンスのアクション

スターティング ポジション

  • 足を肩幅に広げフォームパッドに両足を乗せます。
  • 両腕は体幹部に密着させます。

アクション

  • 片側の膝を曲げ、フォームパッドから足を放します。
  • 足を上げた状態で15〜30秒ほど保持し、左右交互に5回ずつ行います。

注意点

  • 頭から足先までが、真っすぐになっていることを確認してください。
  • 身体を支持する側の膝が、まっすぐ伸びていることに注意してください。
  • 慣れてきたら目を閉じた状態で、同様の事を行います。
シングル・レッグ・スタンスのNG

NG

バランスをとるために左右に腕を広げたり、体幹部が傾いてしまったらNGです。また、フォームパッドに乗せている側の膝が曲がってしまってもNGです。

セルフ・モニタード・ヒップ・ヒンジ

セルフ・モニタード・ヒップ・ヒンジのスターティングポジションセルフ・モニタード・ヒップ・ヒンジのアクション

スターティング ポジション

  • 両脚を肩幅に広げフォームパッドに乗せます。
  • 左右の腕をそれぞれ、お腹と腰に回しピッタリと密着させます。

アクション

  • 股関節と膝を曲げ、腰を落としていきます。
  • 背中がまっすぐ伸びていることを確認しながら、体幹部を前に倒していきます。
  • 40〜45度ほど体を傾けてからゆっくり戻します。
  • 10回ほど行います。

注意点

  • 腰を落としていく際、頭から体幹部がまっすぐ伸びていることを確認しながら行ってください。
  • 腕を体幹部に密着させ、身体から離さないように注意してください。
セルフ・モニタード・ヒップ・ヒンジのNG

NG

バランスを取ろうとするあまりに、背中が丸まらないように注意してください。

バック・ハンド

バック・ハンドのスターティングポジション

スターティング ポジション

両脚を肩幅に広げ、フォームパッドに両脚を乗せます。

肘は屈曲し、出来るだけ身体に近い位置で保ちます。

背中をしっかり伸ばしてください。

アクション

  • 身体を左右に回旋させます。
  • 10回ほど往復します。
バック・ハンドのアクション1バック・ハンドのアクション2

注意点

  • 肘を体幹部から離さないように注意してください。
  • 頭、体幹部、脚がまっすぐ伸びている状態で行ってください。
バック・ハンドのNG

NG

股関節が曲がり、体幹部が側方や前方に傾いてしまう状態はNGです。
十分なトレーニング効果は得られません。

ランニングマン

ランニングマンのスターティングポジションランニングマンのアクション

スターティング ポジション

  • 頭、体幹部、支持脚がまっすぐ伸ばし、片膝をしかり持ち上げます。
  • 挙げた脚と反対側の腕を前方は持ち上げます。反対側の腕は後方へ。

アクション

  • ランニングマンという名称からお解かりになると思いますが、この体幹トレーニングはフォームパッド上で走行するような姿勢をとることに意味があります。
  • 体幹部を前傾させると同時に、持ち上げた脚を後方に。腕はスターティングポジションの反対に左右が入れ替わります。
  • 左右交互に行い10往復ほど行います。

注意点

  • 体幹部を傾けるとき、頭、体幹部、動く方の脚がまっすぐ一直線上になっていることを確認しながら行ってください。
  • 脇を締め、腕は体幹部に出来るだけ近い位置で動かします。
ランニングマンのNG

NG

背中が丸まったり、体幹部と持ち上げた脚が曲がっている状態はNGです。

バランスをとろうとして、腕が体幹部から離れた状態ではトレーニング効果が低下します。

腰痛持ちのための体幹トレーニング法 / まとめ

腰痛を改善することを目的とした体幹トレーニングでは、【筋力アップ】や【筋肉の肥大】と、【腰の機能性を向上させる】ということを別けて考える必要があります。

動きに伴う痛みの症状を軽減するためには、神経システムと体幹の筋肉の機能性を意識したトレーニングが必要です。腰の機能性を向上させる

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