強直性脊椎炎 【鍼灸師が執筆・監修】
どこへ行っても治らない原因不明の腰痛である場合、極めてまれな病気ではありますが、強直性脊椎炎の可能性も考える必要があるかもしれません。
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記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。
強直性脊椎炎の症状・原因・治療
強直性脊椎炎では以下のような症状がみられます。
- 比較的若い男性である。
- 骨盤や臀部に痛みがある。
- 肋間神経痛と思われる痛みが現れる事がある。
- 股関節・膝関節症・足の関節に痛みやこわばりがある。
- 安静にしている時の方が痛み、動いていると症状が軽減する。
- 寝込むほど痛む日があっても、翌日には全く痛みが無いというように、症状に大きな波がある。
以上のような初期症状がみられ、症状が進行すると背骨が動かなくなり、日常生活にも支障をきたすようになります。また、初期には椎間板ヘルニアと似た症状を示すことがあり、誤った診断を下される事があります。
潰瘍性大腸炎やクローン病など消化器の病気や、虹彩炎という眼科疾患を併発する事があります。
原因
この病気は正確な原因がつかめておらず、根治させる治療法も予防法も確立されていません。
血縁発症者が存在する確率が十数%あり、遺伝的要素の存在が示唆されています。
白血球表面に存在する、HLAという感染に対する防御機構に関係する因子があります。この因子のうちHLA−B27という抗原が発症に関与しているのではないかと推測されています。
通常日本人ではHLA−B27抗原を持っている頻度が0.3%程度とされますが、強直性脊椎炎発症者では80%ほどに検出されます。
これらの先天的な因子に、後天的なウィルスや細菌感染が起こる事で強直性脊椎炎を発症するのではないかと考えられています。
男性の発症頻度が女性の発症頻度を上回り、男女比は12:1と、圧倒的に男性にに多く発症します。
治療
根本的な治療法が確立されていないため治療は対症療法となり、消炎鎮痛剤や抗リウマチ薬などで症状の軽減を図ります。
近年、生物学的製剤が保険適用され、治療成績の向上が図られています。
また、患者さん自身が積極的に体を動かすことで、体が固まってしまう事を遅らせる効果があると言われています。
強度の変形に対しては、手術による骨切りや人工関節置換術がとられる事もあるようです。
※この病気は人種によって差があり、白人種では0.2%程の発症率ですが、日本での有病率は0.0065%と言われ、極めてまれな病気である事を追記しておきます。
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