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鍼灸いちご治療院 鍼灸師・八幡太郎 執筆・監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


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  • 腰椎変性すべり症・3つの注意点と4つの治療点
3つの注意点と4つの治療ポイント

腰椎変性すべり症 【鍼灸師が執筆・監修】

このページでは、腰椎変性すべり症の症状、原因、構造、治療について説明しています。
腰椎変性すべり症の模式図
あなたが40代以上の女性で、前屈、後屈どちらでも腰が痛み、同一姿勢を続けたあと次の動きに移る時にも腰が痛むようでしたら、この疾患かもしれません。
このページは以下の項目で構成されています。


鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

 症状の現れ方と外見的特徴

腰椎変性すべり症には以下のような症状がみられます。いくつか当てはまるようでしたら、この疾患の可能性があります。症状は初期症状と末期症状に分けられます。

初期症状

初期やそれほど悪くなっていない状態でしたら下記の様な症状となります。

  • 前屈姿勢で痛みが出る。
  • 後屈動作でも痛みが出る。
  • 同一姿勢から次の動きに移る時に痛む。
  • 40代以上の女性である。
  • 60代以上の男性である。
  • 自分で腰の背骨を触ると、ポコッと落ち込んでいる部分がある。
  • 牽引治療はそのときは良いが、後で症状が悪くなる。



末期症状

状態が悪化した末期的状態では、以下のような症状がみられます。

  • 歩行時は100〜200mほど毎に休まなければ歩き続けることが困難。
  • 尿が出にくい。残尿感がある。尿や便の失禁がある。
  • 自転車のサドルに当たる部分の感覚がおかしい。
  • 脚にまで及ぶ痛みがあり、痛みで睡眠も妨げられる。



症状発現部位と外見的特徴


腰椎変性すべり症の疼痛領域
背骨の体表から触れられる部分を棘突起(きょくとっき)と言います。

外見上の特徴は、腰の下の中央で棘突起がポコッと落ち込んでいる部分があることです。

上記の部分の外方25〜30ミリの部分を押すと鋭い痛みがあります。

落ち込んでいる部分の横ほどではありませんが、その上下の棘突起の外側も押されると痛みがあります。

以上までに記載した症状の特徴があなたのものと違っていたら、別の疾患の可能性があります。

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構造と原因 / なぜ背骨がずれるのか?


腰椎変性すべり症は40代以上の女性に好発します。

すべり症が発生するのは腰椎4番が最も多く、滑り出している部分が落ち込む【階段状変形】という現象が体表から観察されます

症状が進行すると、X線写真では椎体という部分にトラクションスピアという骨棘(こつきょく)や、椎間関節という部分がカリフラワー状に骨の変形が起こっている様子が観察されます。

基礎的要因

腰椎変性すべり症の模式図
腰椎変性すべり症は腰椎不安定症が基礎的な疾患です。

ほとんどの場合は前方すべりですが、まれに後方すべり、横すべりになる事もあります。

女性に多くみられるのは男性に比べ基礎的な筋力が弱いためです。

女性では筋力が低下してくる40代を境に徐々に増えていきます。



男性でも60代になると筋力低下が顕著になるため、この年代以降は発症者が増えていきます。

また、女性に多く発症しやすい理由として、男性に比べヒールが高めの靴を使用する方が少なくないためです。

ヒールが高めの靴を履くと腰椎の前方への湾曲が拡大するため、背骨のずれを助長する事になります。



背骨の安定化

背骨の不安定性が基礎的な要因になっています。そのため、症状を改善するためには腰椎の安定性再獲得が不可欠です。

腰椎の安定性とはどの様なことなのでしょう?

胸部には肋骨が存在しますが、腰部には肋骨のような骨性基盤が存在しません。体の胴体部分である体幹を安定させる機構には腹腔内圧、後部靭帯、胸腰筋膜、ローカル筋などがあります。

これらが協調して機能することで、骨性基盤が存在しない腰部の安定性をもたらしています。

腹腔内圧による安定化

腹腔内圧の模式図
腹腔内圧に関わるのは、まずローカル筋である@腹横筋(ふくおうきん)、A多裂筋(たれつきん)です。

そして、それをさらに強固なものにするのがグローバル筋であるB脊柱起立筋、C腹直筋 です。

さらにD横隔膜、E骨盤底筋が上下から腹腔に圧力をかけています。





これらの筋肉群が協調して働くことで腹腔内圧を高めています。

腹腔内圧が高まった状態は、お腹の中にパンパンに張りつめた風船を入れているようなものです。張りつめた風船は容易には潰れません

腰椎を支えている要素の1つに、この擬似的な風船を腹部にもたせる機構が寄与しています。

胸腰筋膜を含む腰の筋肉断面図
この擬似的な風船による安定性をコア・スタビリティと言います。

胸腰筋膜は筋肉の内圧を高め、筋肉がより筋力を発揮しやすくしコア・スタビリティに大きく貢献しています。

ローカル筋とグローバル筋による安定化

ローカル筋とグローバル筋の模式図
そして、それぞれの筋肉は腹腔内圧に貢献するだけでなく、個々に腰椎を支える役割りを持ちます。
グローバル筋は腰椎を大きなエリアで支え、ローカル筋は小さなエリアで1つ1つの腰椎を支えています。


多裂筋と腹横筋の解剖図
グローバル筋に分類されるのは脊柱起立筋や腹直筋などで、ローカル筋には多裂筋や腹横筋などが分類されます。
ローカル筋は身体が動き出す0.11〜0.3秒前に収縮し、その後の動きに備えています。


腰椎の安定性には、筋肉や胸腰筋膜の協調した働きによるコア・スタビリティ、個々の筋肉が腰椎を1つ1つ支える働きの他、最深部で骨に付着し直接的に支える靭帯の貢献もあります。

靭帯による安定化

脊柱管と靭帯の関係
背骨には内側から支える
後縦靭帯(こうじゅうじんたい)と、人の靭帯では最も強い黄色靭帯(おうしょくじんたい)があります。

他、棘上靭帯(きょくじょうじんたい)や棘間靭帯(きょくかんじんたい)なども背骨に付着し強固に支える役割りを果しています。


また、
椎間関節(ついかんかんせつ)を包んでいる関節包(かんせつほう)も、靭帯と共に背骨を支えています。

腰椎がずれることで椎間関節に常時負荷がかかるため、椎間関節の部分に骨性の変形が起きてきます。

靭帯の弛緩には女性ホルモンが関わるため、この疾患が女性に多い理由として女性ホルモンの影響も示唆されています


以上までにあげた【脊椎の安定性機構】が破たんした事が腰椎変性すべり症の大きな原因の1つになっています。


腰椎変性すべり症は改善する事にとても時間がかかる腰痛です。

この疾患は脊椎不安定症が基礎的な疾患となっていて、腰部椎間板症、椎間関節性腰痛、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症なども併発することが少なくないためです。

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治療 / 3つの注意点と4つの治療ポイント


この疾患の治療は手術療法と保存療法に大別されます。
以下のような重篤な症状が現れた場合には手術が第一選択になります。


手術が第一選択の場合

  • 歩行時、100〜200mごとに休まなければ歩き続けられない。
  • 尿が出にくい。残尿感がある。尿や便の失禁がある。
  • 自転車のサドルに当たる部分の感覚がおかしい。
  • 痛みが脚にまで及び、痛みのために睡眠を妨げられる。



腰椎変性すべり症改善のための3つの注意点

  • 腰椎の安定性を再獲得する事が絶対的な条件になります。
  • 牽引治療は絶対にアウトです。不安定性を加速させる事になります。
  • ストレッチには十分な注意が必要です。症状が悪化する恐れがあります。



治療で視点を向ける4つのポイント

  • 問題を発生させている腰椎ではなく、胸椎をニュートラルな状態にする。
  • 股関節の機能不全を解消し、可動域を広げる。
  • 患部付近の疼痛ポイントの過敏性を低下させる。
  • ローカル筋、コアマッスルをトレーニングして安定性を再獲得する。


私の治療では、腰椎よりもむしろ胸椎に重きを置きます。

ポイント 1 


なぜ問題が発生している腰椎ではなく、胸椎なのか?

あなたは後ろを大きく振り向くとき【腰をひねって】振り向いている。そのように思っているのではないでしょうか?

じつは、これが違うのです。

背骨の可動域では、腰椎1か所の可動域は2°程度しかなく、腰椎全体でも7〜15°ほどの可動範囲しか持ちません。


では、なぜ身体を大きく捻ることが可能なのか?

それを可能にしているのが胸椎の働きです。胸椎はそれぞれ8°の回旋可動域を持ち、胸椎全体では30〜35°もの回旋可動域を持っています。

つまり、胸椎の可動域制限が発生すると、腰椎がその動きを代償してしまい過剰な負荷を受け止めてしまうのです。

腰椎は1か所あたり回旋3.5°で椎間板線維輪の限界を超え破たんします。

腰椎変性すべり症の方は胸椎の動きが低下している事が多いのです。

胸椎エリア多数鍼治療
そのため、この疾患の治療では胸椎エリアを徹底的に柔軟にする方策をとります。

多くの鍼を使い機能不全を解消します。


ポイント 2


そして問題が発生している患部(主に腰椎4番)の治療となります。

患部の椎間関節付近を支配している神経は脊髄神経後枝という神経です。腰の筋肉は同じ神経に支配されているために、神経が過敏になり脊髄反射という現象で過緊張を起こします。このために痛みが起こってきます。

腰椎4番エリアへの鍼治療
具体的には腰椎4番を挟んでいる、腰椎3番と5番が治療ポイントになります。


ポイント 3


腰椎の不安定性がある場合、股関節に運動制限があることが非常に多い特徴があります。これも胸椎と同じ理由です。

大腰筋への3寸鍼刺入後
胸椎や股関節の運動制限があるために、腰椎が過剰運動を起こしているのです。

具体的には腸腰筋という筋肉の短縮が股関節の制限となっていることが見受けられます。



腸腰筋とは、腰椎の斜め前方に存在する大腰筋と骨盤裏面の腸骨筋を合わせた呼称です。上の写真が大腰筋に、鍼を刺している様子です。

腸骨筋3寸鍼治療
左の写真は腸骨筋に鍼を刺している様子です。

大腰筋、腸骨筋とも深部に存在する筋肉です。問題個所にしっかり効かせていきます。


ポイント 4

腰の筋肉解剖図
ローカル筋やコアマッスルをトレーニングして安定性を再獲得します。

構造と原因の項目でも触れましたが、この疾患は改善する事にとても時間が必要な腰痛です。



体幹の安定性の再獲得には患者さん自身の努力が不可欠です。どんな治療者でも安定性を提供することはできません。安定性を再獲得するのは患者さん自身の努力しかありません。

この疾患の場合、保存療法ではこれがどんな治療よりも最も重要なポイントになります。


腰椎変性すべり症 / まとめ


腰椎変性すべり症を改善するためには、治療だけでなく筋肉トレーニングが必須です。しかし、やみくもな筋肉トレーニングやストレッチは症状を悪化する事にもなりかねません。

その理由を
腰痛ストレッチのページで詳しく解説しています。参考にしてみてください。

腰椎変性すべり症の治療で、視点を向けるべきポイントについて解説しましたが、そもそも発症の素地となる個人的な要因は多岐に及びます。例えば、身長、年齢、体重、姿勢、職業、性別などなど、個々人の条件は千差万別です。

そのため、アプローチ法も患者さんごとに修正を加える必要があります。



患者さんの声


私の治療院で症状を大きく改善された患者さんから手記を頂戴しました。

患者さんの写真
小山正雄さん(51歳)
長野県松本市


初診時には腰の痛みと、睡眠を妨げられるほどの下肢のチクチクする嫌なシビレ感に苦しんでおられました。


患者さんの手記

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