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腰痛を治すために必要なこと

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19


お尻の痛みの原因と治療法

臀部の痛み

腰痛と関連しやすい、臀部の痛みの原因と治療法について解説しています。
臀部の痛みのイメージ画像臀部には複数の筋肉が存在し、お尻の痛みの原因は1つとは限りません。

臀部は腰の筋肉と密接な関係にあり、治していくにはそちらとの関連性にも目を向ける必要があります。
臀部の痛みだけでなく、腰痛や腰の重だるさ鈍痛なども伴っているようでしたら、筋肉や筋膜といった軟部組織の機能不全を原因として、生体力学上の運動連鎖に支障をきたしている可能性があります。
このページは以下の項目で構成しています。

痛みが起きる3つの原因

臀部に痛みを起こす原因はいくつか考えられますが、この項目では症状の発現エリアからどこに問題が起きているのかを解説します。

一口にお尻の痛みと言っても、お尻にはいくつもの筋肉と靭帯が存在します。そのため障害されている部位次第で、症状が現れる部分に違いが生じることになります。

お尻の痛みを改善するために必要なことは、まず問題が起きている部位を明確にすることが第一歩になります。

臀部の筋肉と症状発現エリア

臀部の筋肉・解剖図お尻には狭いエリアに多くの種類の筋肉や靭帯が存在しています。

この中で比較的トラブルを起こしやすいのが、中臀筋、梨状筋、仙結節靭帯と呼ばれる構成要素になります。


臀部の痛み・症状発現エリア中臀筋は@のエリアに症状が現れます。自覚症状ではさほど深い部分とは感じられません。

仙結節靭帯の症状は主に坐骨近くのAのエリアに症状が現れます。座っていると鈍痛や不快感があり、お尻を浮かせたくなる感じがします。

梨状筋ではBのエリアに症状が現れます。骨盤後ろのポコッとした骨の下方外側になります。自覚症状では、やや深くに感じられます。
他、小臀筋に問題が起きている場合には、@とBの中間位の位置で、かなり深い部分に鈍痛や不快感が生じ、股関節が痛むような感覚になります。

お尻に痛みが起きる原因

お尻に痛みが起きる原因は様々ですが、大きく分けて下記のような3つの原因が考えられます。
  • 肉離れや打撲による外傷
  • 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰部の構造的な変形
  • 腰と臀部の筋肉との連携に機能不全が起きた、運動連鎖上の問題
肉離れや打撲といった外傷による臀部の痛みは、痛み出したきっかけを本人が自覚していることが多く、損傷の程度が大きくなければ、治癒までの期間を安静に過ごしていれば、その後長期間に渡って痛みが続くといったことは通常ありません。

次に原因として考えられるのは、腰に構造的な変形が起きた結果として臀部に痛みが起きている場合です。
椎間板ヘルニア模式図椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症などで腰部に物理的変化が起き、変形によって臀部を支配している神経に圧迫や摩擦といった刺激が加わると、当該神経の影響下に痛みや痺れといった症状が現れます。


神経の支配領域の図
神経はそれぞれ特有の支配領域を持っていて、主にお尻に痛みの症状を起こすのは腰椎3番〜仙骨2番までの神経です。障害された神経次第で、色分けした図のように症状が起きる部位に違いがみられます。腰に変形が起きた場合、症状は臀部のみに止まらず、脚にも症状がみられる事が少なくありません。
ここまでに解説した、外傷や腰部の物理的変化が原因でお尻に痛みが起きている場合、原因が特定しやすい特徴があります。

外傷でしたら本人にその記憶がありますし、腰で起きた物理的変形はMRI、CT,X線といった画像診断装置で容易に原因を特定できます。そして、外傷では安静を旨としていれば概ね順調に治癒しますし、腰の物理的変形は手術によって障害を取り除けば治癒に向かっていきます。


問題は、3番目に挙げた【腰の筋肉と臀部の筋肉との連携に機能不全が起きた、運動連鎖上の問題】が原因となっているお尻の痛みです。

機能不全が原因となっているお尻の痛みが厄介なのは、
原因が筋肉や筋膜といった軟部組織の機能不全であるために、画像検査では異常を捉えられないためです。機能上の障害は画像には写りません。
あなたがお困りのお尻の痛みがどこは行っても治らず、画像検査などでも異常を発見できなかった場合は、腰とお尻の筋肉の運動連鎖が上手くいかず、機能不全を起こしているのかもしれません。

軟部組織の機能不全による臀部の痛みとはどのような状態を指すのか、何故そのような症状が起きるのか、治すためには何が必要なのか。次の項目で解説します。

機能不全によって起こる、お尻の痛み

筋肉や筋膜、靭帯などの軟部組織に機能不全が起こるのは生体力学上の理由があります。お尻で問題が起きやすいのは中臀筋、梨状筋、仙結節靭帯といった構成要素になりますが、それぞれ問題が起きる背景に違いがあります。

中臀筋が痛みを起こす理由

中臀筋解剖図中臀筋は臀部の上部から側方にかけて存在する筋肉で、主に歩行時に骨盤が落下しないようにする働きと、左右方向への安定性を保つために働く筋肉です。この筋肉が完全に機能を停止した状態を中臀筋麻痺と呼び、特有の歩様になります。
腰方形筋解剖図
中臀筋は腰の左右に存在する腰方形筋と運動連鎖する関係にあります。

そのため、中臀筋の機能不全は腰方形筋に、腰方形筋の機能不全は中臀筋にという様に影響しあう関係にあります。

歩いている女性
例えば…、歩く時に右足を踏み出そうとした場合、右側の腰方形筋と左側の中臀筋が連携することで、左右に大きくブレずに前方へ進むことを可能にしています。

腰方形筋と反対側の中臀筋は、連携して骨盤の左右への傾きを調節しています。

左右への重心移動のコントロールすることで、骨盤を落下させないように一定の位置に保っています。
このようにバイオメカニクス上密接な関係がある筋肉同士であるために、腰方形筋の機能不全を反対側の中臀筋がカバーすることになり、負担に耐えられなくなったとき中臀筋の痛みとなって症状が現れます。

中臀筋が痛みを起こす遠因である、腰方形筋に問題が起きやすくなる原因はいくつか考えられますが、代表的な日常生活に潜む原因としては脚を組む習慣になります。

日常的に脚を組む機会が多く、常に同じ方向でばかり脚を組んでいると、左右の腰方形筋の長さのバランスが崩れ、結果として中臀筋の負担が増加し、お尻の痛みとなって症状が現れます。

梨状筋が痛みを起こす理由

梨状筋解剖図梨状筋は、臀部の中層〜深層にかけて存在する筋肉です。坐骨神経痛の原因になりやすい筋肉で、臀部や脚にかけて痛みや痺れなどの症状がみられるようでしたら、梨状筋が原因になっている可能性があります。

梨状筋、小臀筋、大腿筋膜張筋の位置
梨状筋が問題を起こす背景になりやすいのは、大腿前面に存在する大腿筋膜張筋や、深層の小臀筋との関係によるものです。梨状筋はこれらの筋肉群と拮抗関係にあります。分かりやすく言えば、綱引きをしている状態と言ってもいいかと思います。
ここで挙げた梨状筋、小臀筋、大腿筋膜張筋はどの筋肉も太腿の筋肉の動きに関係する筋肉ですが、作用する方向が反対であるために拮抗、対立関係にあります。

つまり、小臀筋や大腿筋膜張筋が緊張状態にあると、梨状筋が縮もうとする動きに抵抗が掛ってしまいます。結果として、過剰な負担を強いられた梨状筋が痛みを起こすようになります。

さらに、梨状筋は坐骨神経と接しているために、梨状筋が固くなると坐骨神経を摩擦してしまい、坐骨神経痛症状を起こすことがあります。
梨状筋の4タイプ以上に挙げた理由のほか、梨状筋の形状に個人差があるために、そのことが梨状筋の痛みや坐骨神経痛症状の原因になる事もあります。

梨状筋の形状は大きく分けて4タイプに分類されます。
  • type1:最も多いタイプで80〜85%の人にあてはまります。坐骨神経は総腓骨神経と脛骨神経から成り立ちますが、その双方が梨状筋の前方を通過し、坐骨神経として脚に向かいます。最も坐骨神経痛障害が起こりにくいタイプです。
  • type2:脛骨神経が梨状筋の前方を、総腓骨神経が梨状筋の後方を通過するタイプです。3〜5%に存在します。総腓骨神経が梨状筋の上方を通過する際、梨状筋上孔という空間を通り抜けますが、この部位で他の筋肉との問題が起こる事があります。
  • type3:脛骨神経が梨状筋の前方を通過し、総腓骨神経が梨状筋そのものを貫通するタイプです。比較的問題が起こりやすいタイプで、10〜12%に存在します。
  • type4:最も問題が起こりやすいタイプです。1〜2%存在します。坐骨神経幹として梨状筋を貫通するタイプです。梨状筋が血流障害で硬くなると、坐骨神経が圧迫や摩擦を受けやすく最も坐骨神経痛を起こしやすい傾向があります。
以上に挙げた形状の違いによっても、梨状筋が問題を起こし易いか否かの違いとなります。

仙結節靭帯が痛みを起こす理由

仙結節靭帯解剖図仙結節靭帯は骨盤裏面に存在する靭帯で、身体の中で最も強い靭帯の1つに挙げられます。

骨盤後ろの仙骨と坐骨の間を繋ぐように存在し、骨盤を安定的に支える役割を担っています。


多裂筋、仙結節靭帯、大腿二頭筋の関係仙結節靭帯が痛みを起こす背景になり易いものには、多裂筋に代表される背筋群と、大腿二頭筋を含む太腿裏面の筋肉群との関係になります。

仙結節靭帯がこれらの要素の中間に位置していることが原因になります。
多裂筋を含む背筋群と、大腿二頭筋を含む太腿裏面のハムストリングスがそれぞれ短縮傾向にあると、その中間に位置する仙結節靭帯を両方から引っ張ってしまう形になり、結果として張力が増した仙結節靭帯が痛みを起こしてしまいます。
座位での仙結節靭帯への負荷仙結節靭帯に最も痛みが現れやすいのは、座った姿勢になります。
背筋群とハムストリングスの短縮で、ただでさえ負荷が掛っている仙結節靭帯に、座位ではさらに引っ張る力が強くなってしまうためです。

コンパートメント症候群の問題

筋膜解剖図お尻に痛みが起こる原因として、コンパートメント症候群という状態が起きている可能性もあります。コンパートメント症候群とは、1つ1つの区画(コンパートメント)に区分けされている筋肉に血流障害が起きている状態です。
筋肉は通常、筋膜と呼ばれるコラーゲンの膜に覆われています。筋肉と筋膜の関係を分かりやすい形に置き換えると、魚肉ソーセージとそれを包んでいるフィルムとの関係に似たような関係です。

魚肉ソーセージはフィルムが存在することで、内圧が高まりその形状を維持することが出来ます。筋肉と筋膜にもそれが当てはまり、筋膜の存在が筋肉内圧を高め、無駄なく張力を発揮させ易くしています。

ところが、筋膜の存在が裏目に出て、筋肉にダメージを与えてしまうことがあります。これがコンパートメント症候群です。
コンパートメント症候群の模式図コンパートメント症候群は浅部よりも、深部の筋肉に起こりやすい特徴があります。

臀部は筋肉が何層にも重なっているため、下層の筋肉はその上に重なっている筋肉からの圧力を受けています。


圧力かかった筋肉周囲に存在する筋肉と、その筋肉自体の筋膜によって、深層の筋肉は高まる内圧を逃がせなくなります。

内圧が高まり過ぎた筋肉は血流障害が起こり、阻血性の痛みが起こります。
通常コンパートメント症候群は構造上、腰やふくらはぎに起こりやすいのですが、陸上競技のアスリートなどでは臀部にも起こることがあります。臀部の筋肉が発達していると、より圧力が高まりやすいためです。

コンパートメント症候群を治すためには、高まり過ぎた筋肉内圧を逃がすことがカギになります。
筋肉、筋膜、靭帯といった軟部組織に機能不全が起こる原因は取り上げた事だけではありませんが、一般的に問題が起こりやすい原因について、その背景を解説しました。

治すために必要なこと / 実際の治療例

この項目では、前項で解説した【機能不全による臀部の痛み】3タイプの治療について、鍼治療でのアプローチ法を解説します。

お尻の痛みを治療する方法は鍼治療だけではありませんが、お尻の痛みは問題を起こしている個々の筋肉の問題だけではなく、共通してコンパートメント症候群としての側面も併せ持っています。

そのため、的確に筋肉内圧を逃がすことが出来る鍼治療が、最も効果的であると私は考えています。お尻の痛みを強めのマッサージで対処することはお勧めできません。
マッサージしている様子筋肉を包む筋膜は垂直方向からの強い圧力が掛ると、緊張度が増してしまう特徴を持っています。

表面を滑らせるような筋膜リリースというアプローチでしたら、そのような問題は起きてこないのですが…。
問題は、臀部や腰の筋肉は何層にも重なり厚みがあることです。通常でも臀部の筋肉は5〜6cmの厚さがあり、筋肉が発達した方や体格が大きな方では9cm以上の厚さがある方も存在します。

つまり臀部の深部に問題が起こっていて、マッサージでその筋肉にアプローチした場合、相当な圧力を加えなければ問題が起きている部位に効果が及ばないことになります。

ところが、そこまでの圧力を加えてしまうと、浅層の筋肉が緊張度を増してしまい、圧力を加えた直後はスッキリした感じがしますが、結果として元の木阿弥となってしまいます。

またそれだけでなく、強いマッサージを受け続けていると、身体はより強い圧力を求めるようになってしまいます。これが後に大きな問題となることがあります。

私の治療院にも『十年以上に渡り、腰と臀部に強いマッサージを受け続けてきた。』という方々が鍼治療を受けに来ますが、この方々の臀部にはかなりの確率で、筋膜の癒着が起こっています。

強い圧力を加え続けたために、筋膜が変性してしまい癒着と瘢痕化が起きてしまっている状態です。ここまでの状態になると、治るまでに年単位での時間を必要とします。

これが、お尻の痛みを強めのマッサージで対処するのはお勧めできない理由です。

中臀筋の痛みの治療

腰方形筋への刺鍼中臀筋の治療では、まず腰の左右側方に存在する腰方形筋にアプローチします。この筋肉が中殿筋と運動連鎖する関係にあるためです。

2〜3寸(60〜90ミリ)の鍼を使用します。


中臀筋への刺鍼次に患部である中臀筋にも鍼を刺入します。

こちらにも2〜3寸(60〜90ミリ)の長さの鍼を使用します。臀部は筋肉層が厚く、これくらいの鍼を使用しなければ深部に効果を及ぼしきれません。

身体に鍼を刺される事を考えると怖く思えるかもしれませんが、鍼治療を受けた方は共通して『そう、そこ! うぅ〜、効いてる。気持ち良い〜。』という声を漏らします。

梨状筋の痛みの治療

梨状筋、小殿筋、大腿筋膜張筋への刺鍼梨状筋の治療では、患部である梨状筋だけでなく、最深部の小臀筋、やや前方の大腿筋膜張筋にも同時に鍼を刺します。
こちらも中臀筋同様、最深部にまで確実に効果を及ぼすために、2〜3寸(60〜90ミリ)の鍼を使用します。
下肢への刺鍼
次に下肢に視点を向けます。梨状筋に問題が起こっている場合には、脚にも症状が起きていることがあります。

その場合、脚にもキメ細かく鍼を刺し、症状を無くしていきます。

仙結節靭帯の痛みの治療

多裂筋への刺鍼坐骨付近の仙結節靭帯に痛みや違和感がある場合には、腰の多裂筋と大腿裏面の筋肉が重要な治療ポイントとなります。

多裂筋には細めの鍼をキメ細かく刺していきます。


腰の筋肉は筋肉の厚さに個人差が大きく、短く細い鍼で十分足りる方も多く存在します。写真上で使用している鍼は、1寸2番と呼ばれ長さ30ミリ×太さ0.18ミリの鍼で、髪の毛と大差ない太さです。
大腿二頭筋への刺鍼
そして、大腿二頭筋をメインとして太腿裏面の筋肉にも鍼を刺します。

仙結節靭帯の治療では腰と太腿の筋肉が綱引きをしている状態にありますから、この双方を緩める必要があります。
臀部の痛みを治療する方法は多岐に及びますが、それらのうちの1つ鍼治療でのアプローチ法を解説しました。

臀部の痛み / 結び

臀部の痛みは、腰の物理的変化で症状が起きていることもありますが、MRIやCTなどの画像検査でも原因がつかめないことがあります。

あなたのお尻の痛みの原因が、病院の検査でも発見できなかった場合、筋肉や筋膜、靭帯といった軟部組織の機能不全が原因かもしれません。

軟部組織の機能不全は画像検査では発見できません。
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