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鍼灸いちご治療院 鍼灸師・八幡太郎 執筆監修

鍼灸いちご治療院 TEL.03-5876-8989

〒133-0051 東京都江戸川区北小岩6-35-19

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胸膜炎と背中の痛みの関係

胸膜炎による背中の痛み 【鍼灸師が執筆・監修】

胸膜炎は腫瘍や結核、細菌感染などで発症しますが、原因はそれだけではなく、胸膜炎は幾つかのタイプに分けられます。胸膜炎は腫瘍や結核、細菌感染などで発症しますが、原因はそれだけではなく、胸膜炎は幾つかのタイプに分けられます。

背中に痛みが起きる理由や、症状の特徴、治療の方向性などについて解説しています。
日本で発症する胸膜炎では、癌性胸膜炎と結核性胸膜炎の割合が多く(日本呼吸器学会による情報)、このページで解説する症状の特徴が当てはまるようでしたら危険な兆候であり、呼吸器科を受診する必要があります。
背中に痛みがある女性呼吸器疾患だけでなく、胃、十二指腸、肝臓、膵臓などの消化器の問題でも背中に痛みが起こります。

背中の痛みのページで、背中に痛みが起きる各種の疾患について解説しています。
鍼灸いちご治療院 院長・鍼灸師 八幡太郎このサイトは鍼灸いちご治療院が運営しています。

記事については医療系国家資格である鍼灸師の八幡太郎が執筆・編集・監修しています。

症状の特徴

胸膜炎の症状がある女性胸膜炎は通常、咳に随伴し、胸や背中の痛みが伴います。癌、結核、感染症によって症状の出方に違いがあります。

疾患によって痛みも異なり、鋭い刃物で切るような痛みであったり、鈍痛である場合もあります。

胸膜炎の症状

  • 胸の痛み。多くの場合に片側
  • 背中の痛み
  • 咳。通常痰は少なく乾いた咳。原因によっては痰がからむことも
  • 咳や深呼吸で、胸や背中の痛みが増悪する
  • 胸水が生じた場合には、息切れや呼吸困難
  • 発熱。感染症が原因である場合
  • 食欲不振、倦怠感
  • 寝汗
胸膜炎の症状発現部位 / 背部症状が出現する部位は、胸、背中、肩などです。胸の痛みよりも、背中の鈍痛が先行することもあります。

胸部よりも背中の痛みが先行するような場合は、背中側の胸膜の炎症反応が強く出ていることが考えられます。
胸膜炎の症状発現部位 / 胸部通常、どちらか片側の胸の痛みが起きます。細菌感染での胸膜炎では、両側に痛みが起きるケースもありますが、左右ともに痛みが起きるのは少数です。

また、食道側の胸膜に炎症が強く出ている場合、食べ物が食道を通過するときにも痛みが起きます。

胸膜炎の原因

胸膜炎のX線写真悪性腫瘍、結核菌が胸膜炎の原因の60~70%を占めています。
悪性腫瘍によるものでは、胸膜に原発する腫瘍の割合は低く、他臓器からの転移性胸膜腫瘍が多くを占めています。
結核性胸膜炎は治療しないで放置すると、65%程が肺結核などに移行します。

直接的な原因

  • 癌性胸膜炎
  • 感染症による胸膜炎
  • その他の各種疾患
悪性腫瘍による癌性胸膜炎では他臓器からの転移性腫瘍、悪性リンパ腫、悪性胸膜中皮腫などが原因となっています。悪性中皮腫の殆どは、アスベスト曝露が原因となっています。

感染症による胸膜炎では、結核性胸膜炎が多くを占めています。他、細菌性胸膜炎、肺炎随伴性胸膜炎などが原因として挙げられます。

その他、各種の疾患が原因となり二次的に胸膜炎が起こることがあります。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどに代表される膠原病、肺塞栓などが挙げられます。
胸膜の解剖図胸膜は構造上、臓側胸膜と壁側胸膜に分けられます。肺は気管、気管支、肺胞などから構成されていますが、これらの臓器や器官を包んでいるのが臓側胸膜です。

壁側胸膜は、肋骨や肋骨周囲の筋肉に接し、肺を外側から保護しています。
臓側胸膜と壁側胸膜の間には漿液(しょうえき)と呼ばれる液体が存在し、胸膜同士の摩擦を防いでいます。胸膜炎で炎症が起きると、胸膜がこすれることで生じる胸膜摩擦音と呼ばれる特徴的な現象を聴診器で確認できます。

潜在的な要因

胸膜に転移した悪性腫瘍潜在的な要因で最も身近であるのは喫煙です。喫煙は虚血性心疾患、脳卒中のリスクを高めるだけでなく、癌による胸膜炎のリスクも高めます。また、喫煙とアスベスト曝露には密接な関係があります。喫煙者がアスベストに曝露すると、肺がん発症率が極めて高くなります。
  アスベスト曝露なし   アスベスト曝露あり
非喫煙者   1  10.85
 喫煙者  5.17  53.24
Hammond & Selikof(f 1979)
アスベストに曝露せず、喫煙もしていない人の肺がんや中皮腫発症のリスクを1とした場合、喫煙者でアスベストの曝露があるとそのリスクは50倍を超えます。

日本では1974年にアスベストの輸入がピークに達し、以降は減少傾向となりました。1995年労働省による労働安全衛生法施行令改正で、毒性の強いアスベスト類の輸入、製造、供給および使用が禁止されるまで膨大な量が輸入され、主に建材として使われ続けてきました。

アスベストによる影響は、40年の潜伏期間を経た後に現れる ( 国立がん研究センター・がん情報サービスより ) とされ、今後数十年はアスベストの影響による中皮腫、胸膜炎が発症するものと考えられます。

結核と喫煙の関係

悪性腫瘍による胸膜炎の他、結核による胸膜炎も大きな割合を占めています。そして、結核感染と喫煙にも因果関係が認められます。
  非喫煙者   喫煙者
 結核感染確率  1  1.03~3.2
喫煙者と非喫煙者の結核感染確率を比較すると、非喫煙者を1とした場合、喫煙者では1.03~3.2となります (喫煙と結核 / 結核予防会顧問 島尾忠雄氏による論文より)。アスベスト同様、喫煙者はリスクが高くなります。

結核の既感染率は年代別に以下のようなものとなります。10歳0.4%、15歳0.6%、20歳1.3%、40歳8.5%、50歳23.1%、60歳48.2%、70歳65.3%。
(公益財団法人 / 結核予防会・結核予防研究所調べ)


この数値はあくまで感染率であり、発病者の割合ではありません。つまり、我々は気づかぬうちに結核菌に感染する可能性が相当程度あるという事です。その感染確率を低下させるためにも、胸膜炎を防ぐためにも喫煙は控えた方が良いという事になります。

検査と診断、治療法

聴診器の画像病院ではまず問診で症状、過去の病歴の聞き取りが行われ、聴診器で呼吸音を調べます。
胸膜炎では、胸膜摩擦音と呼ばれる特徴的な現象が観察されます。各種検査が行われ、原因を突き止めた後、確定診断が為されます。

胸膜炎の検査方法

胸部X線写真を診察する医師胸膜炎が疑われる場合、第一に行われるのが胸部X線検査です。

この検査によって肺の以上の有無を確認できます。立位のみでなく、横向きに寝た状態の側臥位で撮影し、胸水の貯留を調べる事もあります。
CT画像診断装置胸部X線検査によって肺に異常が発見された場合、CTにより肺の断層写真を数枚撮影します。

これにより、詳細な炎症部位の確認と進行の程度などを調べます。
血液検査の様子感染性の胸膜炎が疑われる場合などには、血液検査が行われることがあります。

採血データから起炎菌の特定などがなされます。また、免疫系の異常を検査することもあります。
超音波画像診断装置X線被爆がないのが超音波画像診断装置の特徴です。

また、胸水の貯留が少量であった場合には、CTによる画像よりも正確に状態を把握できます。超音波診断装置は胸腔鏡検査でも使用されます。
胸腔鏡胸壁を僅かに切開し、ファイバー状の内視鏡を挿入し、直接的に患部の状態を観察します。
胸腔鏡検査下で胸水を採取し感染の有無を検査したり、組織サンプルを採取し、病理学的な腫瘍の確認を行う事もあります。

治療法

胸膜炎はいくつもの原因が考えられ、X線、CT、エコーといった画像検査、胸腔鏡検査、病理学検査などで原因を確定した後、原因に合わせた治療が行われます。

癌性胸膜炎の治療

癌性胸膜炎では、予後は不良です。胸膜原発の悪性腫瘍であることは少なく、他臓器からの転移性の腫瘍が多くを占めます。

他臓器からの転移である場合、腺癌の可能性が高く、抗がん剤や放射線が効きにくい傾向があります。また、播種といって字の如く種をまくように細かく広範囲に広がるため、手術で腫瘍を取り除くことも困難です。

癌性胸膜炎では、胸水が貯留して呼吸困難になることを防ぐ目的で、人工的に胸膜を癒着させ胸水が溜りにくくなる処置がとられたり、溜ってしまった胸水は胸腔ドレナージや胸腔穿刺によって、体外に排泄する対応がとられます。

感染性胸膜炎の治療

原因となっている細菌やウイルスを特定し、それらの微生物などに効果的な投薬が行われます。細菌の場合は抗生剤が使われますが、ウィルスの場合には抗生物質が効かないため、解熱剤、鎮痛剤などで経過を観察します。

結核性胸膜炎である場合は、抗結核薬での治療となります。結核性胸膜炎は癌性胸膜炎と並び胸水貯留をきたすため、胸腔ドレナージで胸水を除去したり、胸膜の癒着を防ぐため副腎皮質ステロイド薬が使用されることがあります。

膠原病などによる胸膜炎の治療

膠原病は自己免疫疾患で、自分自身の免疫系が自分の体を構成する臓器・器官を攻撃してしまっている状態です。膠原病には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などがあります。

全身の結合組織や血管に問題が起きます。特に肺は結合組織や血管が豊富に存在するため、膠原病の症状が現れやすく、肺に起こった状態は膠原病肺とも呼ばれます。

肺に異常が起こった場合、胸膜炎、気管支炎、気管支拡張症、血管炎、肺高血圧、びまん性肺胞出血などの状態となります。

通常の膠原病治療に準じ免疫抑制剤や副腎皮質ステロイド薬などでの治療となります。胸水の貯留が顕著である場合、胸腔ドレナージや胸腔穿刺で排液行われることがあります。

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※特別な事情がある場合の時間外の受付は御相談ください。
※12月31日、1月1日を除き祝祭日も施術しております。

費用について

◎初見料  2000円
◎施術費  6000円

  • 初めてお越しの方は施術費用の他、初見料が必要になります。
  • 追加の費用は一切必要ありません。
  • 施術の費用につきましては現金のみでのお支払いになります。クレジットカードでの決済は出来ません。
※ただし、その方ご自身が特殊な鍼での施術を希望する場合のみ、特殊鍼の実費をご負担ください。こちらから無理にお勧めすることは一切ありませんのでご安心ください。

※施術中の写真で特殊鍼を使っているものもありますが、
原則的にはそれらの特殊鍼を使わず、追加の費用が発生しない形での対応としています
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